~オリンピック辞退宣言?!~
中学生で女子卓球界に華々しくデビューした伊藤美誠ももう23歳。
卓球王国の中国選手からは「大魔王」と呼ばれて恐れられてきた。
日本国内では、子供とは思えないほどの”ふてぶてしい態度”と発言に批判も多かったが、卓球の実力でそんな批判をかわしてきた。
卓球女子シングルスのパリオリンピック代表は、伊藤選手の同級の早田ひな選手(23)と平野美宇選手(23)に決まった。
早田選手、平野選手と共に団体戦に加わる選手に伊藤選手は選ばれず、中学生の張本美和選手(15)に決定した。
女子卓球シングルスのパリ五輪選考ポイントを争っていた伊藤選手は、全日本選手権6回戦で敗れたためシングルスでの代表入りを逃した。
伊藤選手は号泣し、”不貞腐れ”ともとれる発言をしたことで大炎上した。
「私はずっとシングルスで優勝することを目標にしていて、団体戦に選出されても、出るかどうかははっきり決まっていない。まずは落ち着いて、どこまでやるかをしっかり考えたい。昔からよいところでやめたいと言っていたが、これで終わりたくない気持ちもあるし、終わりたい気持ちもある、いいところで終わりたいので、もう少し頑張ります」
本人がそんな気持ちだったのかどうかは分からないけれども、この発言は”団体戦だけなら出ない”ともとれるオリンピック辞退発言と受け取られても仕方なかった。
「私はシングルの王者を目指していたの、団体戦なんてどうでもイイ!」
というように聞こえてしまった人は多かっただろう。
そして、”引退宣言”ともとれる。
~大人になって!!~
伊藤選手は、昨年9月22日から中国杭州で開催された「第19回アジア競技大会」も欠場していた。
この時もシングルス代表権が取れなかったため団体の代表を辞退したようだ。
”日本を代表して””日の丸を背負って””日本の卓球界のために”などという思いはなかったのだろうか?
これまで早田選手も平野選手も同級生の伊藤選手が世界の舞台で活躍する姿を見ながら、悔しい思いをしてきた。
そんな2人の姿を卓球ファンは見てきた。
やっとの思いで獲得したオリンピック卓球女子シングルス日本代表の2人と伊藤選手の立場が完全に逆転した格好になった。
2人がオリンピックを始めとする世界大会で、3番手の選手、または補欠選手として試合で活躍する伊藤選手を支援、応援してきた。
2人とも悔しかっただろうが愚痴一つ言わずに戦う伊藤選手をベンチで応援してきた。
そんな2人に感謝の気持ちを抱いていたならこんな言葉は出なかっただろう。
昨年11月26日に開催された「卓球・全農カップ大阪大会」。
平野選手にストレート負けを喫した後のインタビューで、
「屈辱的な試合でした」
と発言したことで大炎上したこともあった。
伊藤選手は若気の至りで過去にもいろいろと物議を醸す発言をしてきた。
だがもう23歳。
もっと大人の発言ができるようになって欲しいものだ。
~終わった??~
一方、張本選手はまだ中学生。
選考ポイントでは、3位の伊藤選手と4位の張本選手。
これまでの実績を考えたら伊藤選手が選ばれる可能性は高いところだった。
それでも選考結果を待つ張本選手は、
「結構ドキドキしている」
と正直に子供らしく発言していた。
国籍は日本だが両親は中国人。
そして全国模試で1位を取ったほどの秀才は、これから日本の女子卓球界を背負って立つ選手だ。
世界の舞台を早く経験させることも価値のある選択だろう。
ひょっとすると卓球協会が伊藤選手に打診して伊藤選手が辞退した可能性もあるのではないかと邪推する。
卓球協会が張本選手に決断したのは、伊藤選手がアジア選手権を辞退したことやこの度の発言を重視した結果かもしれない。
伊藤選手はこのまま引退してしまうのだろうか?