~文春記事は誤認?!~
文春オンラインの「先生がいなかったら今、自分はいない」強制わいせつで逮捕され命を絶った練馬中学教師「本当の顔」を読んだ。
この件に関して生徒たちのツイッターや野次馬的な書き込みがたくさん出ている。
文春の記事を見ると、
逮捕、自殺した石井武秀先生(37)について、
生徒に慕われていた石井先生がわいせつ行為をするはずはなく、単なるジャレ合いだったから悪質性はない
というような内容である。
この記事は、事実関係について誤認し、被害生徒の心情にまったく寄り添っていないように感じる。
これもネットに挙げられた多数の書き込みの影響を受けた結果だろうか。
東京都練馬区中学校の教諭石井武秀容疑者(37)=同区下神井=を逮捕した。「スキンシップのためにやった」と話し、容疑を認めているという。
逮捕容疑は13日午後、校舎内のトイレの個室に連れ込んだ男子生徒に後ろから抱きついて体を触るなどし、わいせつな行為をした疑い。
これが石井先生が逮捕された当初の報道記事である。
~容疑を認めている!~
「石井先生はそんなことをする先生じゃない」などと訴える生徒もいるようだが、石井先生は遺書の中でも事実を認めている。
〈陰部を服の上から掴みました。(中略)正直性的な狙いはまったくありませんでした。ですがやられた生徒にとってはそれはとてもいやなことで、ノリや遊びでは考えられないことでした。私はよくほかの生徒とその様な軽いノリで付き合っていて、つい気持ちも考えずにその生徒にも同じことをやってしまったのです。そもそも遊びであれ、そんなところを触るべきではありませんでしたし、ただただ軽率でした。この事で傷つけてしまった相手には、本当に心から謝罪をします〉
石井先生の教え子も
股間を触ることはあったけど、よくある男子同士のじゃれ合い。正直、気持ち悪いと思ったことは一度もないし、周りからそんな声を聞いたこともなかった。事実をして触ったには触ったんだろうけど、それっていつものノリじゃないか……。
と語る。
”男子同士のじゃれ合い?”
男子生徒同士ならこの言葉も理解できなくもない。
しかし最近では”多様性”の言葉とともにジェンダーレスの風潮が強くなり同性愛者も顕在的になってきた。
真偽は不明だが石井先生には”ゲイ”の噂まであったようだ。
教育者である教師と未成年である生徒との信頼関係は重要であるが、”じゃれ合う”ということで信頼関係が築かれるとは思えない。
しかも教師から股間を触られることで親しみを感じたり信頼関係が醸成されるなんていうことはあり得ない。
日常的に行われているから”悪ふざけ”として看過してきたのだろうが、それを傍目で見ていて”気持ち悪い”と感じていた生徒もいたかもしれない。
~悪質性がない?!~
報道の背景を社会部記者が語る。「逮捕情報を受け、学校関係者や教育委員会にも取材しましたが、他の問題行動を指摘する声は不思議なほど確認できなかった。いち早く速報を出した社があった一方で、悪質性がないと判断し報道を見送った社もあった」
”悪質性がないと判断”とある。
悪質性がないのであれば、警察が逮捕するはずはないだろう。
被害生徒は親に、”先生から股間を触られてイヤな思いをしたこと”を打ち明けた。
それを聞いた親は「なんていう酷いことを!」と立腹し、学校に「すぐに担任を変えてくれ」と怒鳴りこんだ。
刑法第176条(強制わいせつ罪)
十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。十三歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
罰金刑もない重大犯罪である。
だからこそ警察は逮捕したのだろうが、それを”悪質性がない”と判断した報道機関はいったいどうなっているのか。
自身の手で、抵抗する他人の体を触る行為こそが暴行であり、一般的に人が羞恥心を抱く、股間を触る行為はわいせつ行為である。
慕われている女性教諭が女子生徒の胸を触る行為を日ごろのじゃれ合いと捉える生徒がいるかもしれないが、すごく嫌な気持ちになる生徒も当然いるだろう。
触られた生徒が笑って、”いつもの先生の冗談だろう”と感じたのならば大事にはならなかったはずだが、日ごろから石井先生が生徒の股間を触ってじゃれ合う姿に嫌悪感を抱いていたのかもしれない。
~違和感しかない!~
学校でのイジメ被害によって自殺を図る生徒が後をたたない。
先生や加害者、そしてクラスメートは「イジメだとは思わなかった」と言う。
しかし、被害生徒の心情を考えればそれはイジメなのである。
全く同じ構図だと気づくべきであろう。
文春の「慕われていた教師」「じゃれ合い」「多数の生徒が葬儀に参列」そして「悪質性がない」という記事には違和感しかない。
しかも、学校関係者の話として
「最初に対応した教員が警察への届け出を勧めていたとも聞いています」
なんて書いている。
ここからネット上に、”国語教師がハメた”などという記事や書き込みが多数出てきたのだろう。
今では名前まで特定されており、文春の責任は重い。