- 世界卓球、日本チーム好調の中で
今、スウェーデンを舞台に世界卓球大会が行われ、連夜、日本の活躍が放送されています。日本女子チームはメダルを確定させ。日本男子チームもベスト8に進出するなど日本としては大いに盛り上がっています。
確かに日本チームは、張本選手に代表されるように若い選手の成長が著しく、「日本卓球強くなったな」という印象で、日本人にとっては面白い大会になっています。
メダルを確定させた日本女子チームと準決勝で、どちらかのチームと戦うはずだった韓国チームと北朝鮮チームが試合を行わないまま、統一チームとなってしまったのです。そして、日本はこの統一チームと戦わなければならなくなったのです。
- こんなことが許されるのか?
韓国と北朝鮮チームの対戦によってどちらかが3位になり、銅メダルを獲得するはずだったのに、突如、統一チームとなって準々決勝が行われないまま、統一チームが3位となってしまったのです。
世界卓球連盟がこれを許したのはなぜなのか。報道では、
韓国と北朝鮮の両チームから、「準々決勝の前にお互いに戦いたくない。準決勝では南北合同チームで出場したい」と申し出があった。会長が、「理事会で展開を説明したところ、合同スタンディングオベーションが起こり、この歴史的な動きをサポートすることにした。」と話した。
等とされています。
先日、板門店で北朝鮮の金正恩と韓国の文在寅との間で行われた南北首脳会談の板門店宣言の影響を受けた行動であることは間違いないでしょう。
スポーツというものは純粋なものであるべきはずで、政治の影響を受けて大会のルールが変更されるようなことがあってはいけないと誰しもが思っているのではないでしょうか。
平昌オリンピックのアイスホッケー統一チームのように、事前に統一チームを結成するのであれば文句を言う人も少なかったでしょう。しかし、大会途中で対戦する直前に「試合はヤーメタッ」と言って、戦うべきはずのチームが一緒になって1つのチームを作ったのです。
団体試合だと言っても、卓球の試合はほぼ個人競技(今大会はシングルス戦)ですから、南北チームを合同してその中から強い選手を選んで試合に臨めば、当然個別のチームよりは力が増すでしょう。
- スポーツ精神に反する不公平な判断
統一チームと日本は戦わなければならないのです。日本が戦わなければならないから言っているのじゃあなく、これはスポーツ精神に反する不公平な判断だということだと思います。
平和のためにやるというのならそれは結構なことですが、それは他国に迷惑をかけて成し遂げるべきものではないはずです。
本当に統一チームを作る必要性があったのであれば、大会前から計画実行していなければならないことです。大会途中にルールを変更して行うことは明らかにルール違反です。
韓国卓球協会副会長が、
これは両国にとって、とても大きな歴史的決定です。私たちはとても幸せです。ITTFの力強いサポートに感謝します。これは卓球を通じた平和への第一歩としてとても大切な表明です。
とコメントを発表したと報道されました。何を言っているのか分かりませんが、卓球ごときで世界平和に貢献できるとは誰も思っていないでしょう。
もし、卓球を通じて世界平和の第一歩としたいのであれば、試合を行った後にどちらが勝っても負けても抱き合って、お互いを称(たた)えあい、将来の統一チームを約束する声明を発表するなど、他国に迷惑を与えずに世界から賞賛を浴びる方法はいくらでもあったはずです。
- これを許した世界卓球連盟っておかしくない?
以前から卓球は一般のスポーツとは違うもので、曲芸的要素の強い競技だと思っています。卓球では、運動神経や身体能力が突出していることがないのに、強豪選手になっている人が多いからです。これは単純に私見ですが。
この様なこともあって、日本では、卓球は長年に渡りマイナーな競技とされ、地味で人気のない競技とされてきたのです。しかし、女子選手のアイちゃん、平野、石川や水谷をはじめとする男子選手の活躍もあって、ここ数年でゴールデンタイムにテレビ放映されるなど人気も上がってきました。
今回の卓球世界選手権をテレビで応援している人も多くいるでしょう。その中でこのような茶番と言いますか、明らかなルール違反を連盟が許すようなことをすれば卓球という競技(あえてスポーツとは言いません)自体の衰退につながっていく可能性だってないとは言い切れません。
もし、これが他の団体競技、例えばバスケットボールやサッカー等であれば急きょ統一チームというのは連係プレーもできないし、あり得ないのです。多分個人競技のテニスや柔道なんかもこんなことをしたら選手は怒って帰ってしまう選手もでるじゃないかなと思うんです。
他の競技と違って、熱狂的ファンの少ない卓球だから許されているんじゃないかなと思うのです。
この様なパフォーマンスを見ていると、南北の融和を演出した南北関係は、金正恩の一人勝ちのような気がしているのは私だけでしょうか?