事件

江口大和弁護士の逮捕理由は犯人隠避教唆罪!テレビ出演でコメンテーターも?

~犯人隠避罪で江口大和弁護士逮捕!~

 無免許運転による死亡事故をめぐり、車を貸した男が犯罪に問われないように事故を起こした男に虚偽の供述をさせたとして、横浜地検特別刑事部は、15日、犯人隠避教唆容疑で第二東京弁護士会所属の弁護士江口大和容疑者(32)を逮捕するとともに事務所や自宅などを家宅捜索した。

との報道がありました。

氏名 江口 大和(えぐち やまと)

年齢 32歳

学歴 東京大学卒

住所 神奈川県横浜市神奈川区

所属 東京第二弁護士会石川法律事務所

 江口弁護士は、ワイドショー「とくダネ!」にも出演しコメンテーターを務めたりもしていたそうです。

~どんな事件?~

事件の概要は…

2016年5月、横浜市泉区内で、塗装会社社長小林太紀容疑者(26歳)から借りた車を、無免許で運転した同社従業員の佐藤考哉容疑者(22歳)が、運転中に事故を起こし、同乗していた男を死亡させました。佐藤容疑者は、無免許運転過失致死罪で逮捕され服役中でした。佐藤容疑者が無免許運転していた車は、佐藤容疑者が日常的に使用していた会社の車で、小林社長は、佐藤容疑者が無免許であることを知りながら、日常的に使用させていたのです。

道路交通法では、無免許運転することはもちろんですが、無免許運転することを知りながら車両を提供する行為も罰せられますから小林社長は車両提供罪の犯人ということになります。しかし、佐藤容疑者は、当初「社長の車を勝手に持ち出し運転した」と警察に対して供述していたのですが、その後、裁判で「勝手に持ち出したのはウソで、日常的に社長の車を使用していました。『勝手に持ち出した』と言ったのは、弁護士が考えたストーリーです」等と証言したため、小林社長も逮捕されました。

佐藤容疑者が逮捕された後、車両を提供した小林社長が自分にも捜査の手が回ると考えたのでしょう。弁護士を社長自ら雇って、佐藤容疑者の弁護をさせる反面、自分の弁護も依頼したということでしょう。

弁護士は、佐藤容疑者の面会で「社長から車を借りたと言えば、社長まで捕まるから自分で勝手に車を持ち出したと警察に話すように」と説得したのでしょう。佐藤容疑者も世話になっている社長を巻き込んではいけないと考えて当初、弁護士の作ったストーリーで自分一人が罪を償おうという気持ちになっていたのでしょうが、警察の説得や自身の反省後悔からなのかは不明ですが、社長から車の提供を受けたことを公判で喋ってしまったのです。

当然、佐藤被告の弁護のために法廷にいた江口弁護士は慌てふためいたでしょう。「なっ、何を言っているんだ!」と叫んだかも知れません。

結局、車両提供罪の犯人として小林社長が逮捕され、小林社長が犯人であることを警察の取り調べ段階で隠していた佐藤容疑者も再び逮捕されました。そして、佐藤容疑者に「小林社長が車両提供罪の犯人であることを隠すよう」指示した江口弁護士は犯人隠避教唆罪で逮捕されたというわけです。

~犯人隠避教唆罪とは?~

犯人隠避罪は…

刑法103条~罰金以上の刑に当たる罪を犯した者、又は拘禁中に逃走した者を蔵匿し、又は隠避させた者は、3年以上の懲役又は30万円以上の罰金に処する。

と規定されており、親族以外の者が罰金刑以上の犯人であることを知りながらかくまったり、隠したりする行為です。

教唆というのは…

 刑法61条1項~人を教唆して犯罪を実行させた者には、正犯の刑を科する

と規定され、犯罪を行うよう決意させることを言います。江口弁護士は、佐藤容疑者に対して「小林社長が車両提供罪の犯人であることを隠すよう指示した」ということになり、小林社長が裁判で有罪判決を受ければそれと同等の処罰を受けることになるということです。

~江口弁護士は何故こんなことをしたのか?~

ネット上でも江口弁護士が「何故こんなことをしたのか」という疑問が湧きおこっています。弁護士が依頼人の罪を隠し、無罪を勝ち取るというケースは日常的によく行われていることなのです。犯罪を犯した被疑者の弁護を依頼された私選弁護人となった弁護士は、物的証拠も乏しく、捜査当局側が被疑者を有罪にできるだけの証拠がないと考えた場合は、被疑者に対して「真実を喋るな」「こういう具合に喋りなさい」「その部分は喋らないように」などと言うことはよくあることです。

しかし通常、自分の罪を免れるために弁護士の言うとおりに犯人は行動しますが、今回は、犯人のためではなく、犯人に車両を提供した小林社長の犯罪を隠すために指示されたことでしたから、佐藤容疑者にとっては弁護士の言うことを聞いても自分が有利になるわけでもなく、自分が罪を免れるわけでもないのですから、裁判で本当のことを喋ってしまったというわけです。

弁護士自身は、佐藤容疑者が世話になっている小林社長の罪となることを喋るとは思ってもいなかったのでしょうが、弁護士としては安易な行動だったと思います。小林社長は、既に道路交通法違反(車両提供罪)で起訴されていますから、罰金刑の犯罪を犯したことは明らかとなりました。日頃から弁護士に敵対している検察もこれは弁護士を懲らしめるためのチャンスととらえて、江口弁護士の逮捕に踏み切ったと考えられます。

もちろん、佐藤容疑者が弁護士からの指示であったことを喋らなければ小林容疑者は、罪を免れることができたわけですから、弁護士料も加算して受け取れたはずです。既に受け取っていたかも知れません。弁護士なんていうのは「社会正義の実現とか人権の尊重」などと建前は立派なことを言いますが、結局は金儲けが大事なのです。

江口弁護士は、有罪判決を受け、弁護士会から懲戒処分を受けて弁護士資格もはく奪されると考えられます。まだ若いのに・・・

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