~滋賀県警でまたも…!~
滋賀県警がまたも誤認逮捕で滝澤依子本部長が謝罪したというニュース。またも滋賀県警で!
滋賀県警といえば2018年に無実の大学生の男性がオレオレ詐欺の被疑者にされて逮捕され、300日以上もの長い勾留を強いられたことが「世界仰天ニュース」で放送され有名になりました。
2003年、植物状態になっている入院患者の人工呼吸器のチューブを引き抜いたとして自白強要で実刑判決を受け、再審無罪になった西山美香さんの事件はひどいものでした。
その滋賀県警でまたも…。
乳児にかみついてけがを負わせたとして、滋賀県警が別人の歯型を証拠に県内の20代の母親を傷害容疑で誤認逮捕し、起訴が取り消された不祥事で、県警の滝澤依子本部長は2日、県議会の土木交通・警察・企業常任委員会で「母親に大変申し訳なく、心よりおわびする」と謝罪した。
委員会冒頭、滝澤本部長は「鑑定の過程で、歯型を別人のものと取り違えたことなどにより、母親の女性を本件の被疑者として逮捕してしまい、大変申し訳なく思っており、警察本部長として心よりおわびを申し上げる。二度と起こらないよう業務指導を徹底し、再発防止に努める」と述べ、頭を下げた。
~これまでの誤認逮捕とは違う?!~
昨年1月愛媛県警で防犯カメラに映った犯人と似ていたというだけで女子大学生が窃盗事件の犯人とされた誤認逮捕が大きな話題になりましたが、こんなことが度々起きていることに恐怖を感じます。もし突然、あなたがまたはあなたの家族が逮捕されたら…。
母さん、僕はやってないんだよ~ッ!
考えると怖いのですが、今回の事件はこれまでの誤認逮捕とはちょっと違う事件の様に思います。
~3つの大きな疑問!!~
事件の詳細は報道以上のことは分かりませんが、報道内容から考えても何か違和感があります。事件の真相を推察してみたいと思います。
この不祥事は大津署が昨年10月、乳児の腕の傷痕と母親の歯型が一致したとする誤った鑑定結果を基に母親を逮捕。翌月、大津地検が傷害罪で起訴したが、今年1月の大津地裁での公判で弁護人から誤鑑定との疑義が呈された。再調査の結果、県警鑑識課の鑑定官が1人で作業中、別人の歯型と取り違えていたことが判明。県警と地検は母親に謝罪し、地検は9月18日に起訴を取り消した。
なぜ鑑定官が別人の歯型を母親の歯型と間違えたのか?
一致した歯型は誰のモノだったのか?
真犯人が特定されていないのはなぜか?
という疑問が湧きます。
~母親は犯行を認めていた!~
2019年10月17日、母親が逮捕された際の産経新聞の記事です。
生後1カ月の息子の左腕にかみつき、けがをさせたとして、大津署は17日、傷害の疑いで母親の大学生(20)=大津市石場=を逮捕した。「かみついたことは間違いない」と容疑を認めている。
逮捕容疑は9月3日午後6時ごろから同4日午前7時ごろまでの間、大津市内の自宅で、息子の左腕にかみつき、全治1週間の軽傷を負わせたとしている。
同署によると、9月4日に大学生が体調不良の息子を病院へ連れて行き、医師が左腕の傷を発見。病院から報告を受けた児童相談所が翌日、同署に通報した。
大学生は4月から休学中で、同署は日常的な虐待があったかなど詳しい経緯を調べている。
事件が発覚してから約40日経過後に母親を逮捕しているのですが、逮捕された時点で、大学生の母親は犯行を認めていたのです。
後に出てきますが、逮捕前の取り調べでも母親は「私がやった」と罪を認めていたのです。
そして、本当に母親がやったのかを裏付けるために、幼児にかみつくことができる関係者らから歯型をとったと思われます。
~本当は誰の歯型?!~
鑑定人の耳には「母親が噛んだことを認めている」と言った情報が耳に入っていたのだろうと思います。
幼児の腕から採取した歯型と関係者の中の歯型が一つだけほぼ一致しました。鑑定人は「これが母親の歯型だ」と先入観から思い込み一致した歯型に母親の名前を書き込んだ可能性があると思われます。
歯型を採取された関係者は何人で誰だったのか?夫?おじいちゃんおばあちゃん?おじさん?おばさん?その中に実際に幼児の腕をかんだ人間がいたということです。
~なぜ名前が公表されなかった?!~
赤ちゃんは腕を強くかまれて痛くて泣き続けるため母親はたまらずに病院へ行きました。ここで”誰かがが赤ちゃんの腕をかんだのではないか”と医師が疑ったのです。
母親は当然誰が噛んだのかは分かっているはずですが、真犯人をかばう必要があったのでしょうか?「私がやりました」と。
もう一つ、謎なのは大学生といえども20歳の成人ですから逮捕時には名前が公表されるのが普通です。しかし名前は公表されていないのです。
なぜなのか?通常考えられるのは、精神的に病んでいる人の犯行などは名前が伏せられることもあります。
しかし、この母親は誰かをかばうためにウソの自供をしていたということから考えればその見立てはどうなのか?という思いもあります。
~プロとして失格!!~
この誤認逮捕において、一つ言えることは、愛媛県警の女子大生誤認逮捕や滋賀県警の男子大学生の誤認逮捕とは違う、誤認逮捕された母親が自分の罪を認めていたという点においては同列には扱えないのだろうと思います。
だからといって滋賀県警の捜査を肯定するつもりはありませんし、容疑者が自供していたとしてもそれを鵜呑みにせず先入観を排除しての捜査ができていなかったことはプロとして失格であろうと思います。
~理解できない弁護士の言い分!~
中日新聞の記事です。
女性の弁護人植平朋行弁護士によると、女性は逮捕直後に容疑を認める供述をしたが、その後否認に転じた。植平弁護士は、逮捕前の任意の調べで県警の男性刑事から「夫や両親を呼び出す」などと脅され、女性が「家族に迷惑がかかる」と考えて、うその自白をしたと批判した。県警と地検は17日、女性に直接謝罪したが、女性側は刑事補償を求める方針。
取調べ官は”誰が犯人か知っていると思われる母親”に「正直に言いなさい。言わないとあなたの家族全員から話を聞くことになる」と言ったのでしょう。誰が取調官であっても普通に言う言葉だと思います。しかし弁護士はこのような言葉が”脅しになる”というのです。理解できません。
”家族に迷惑かかる”の意味も理解できません。
関係者らが歯型を採取された時点で家族に迷惑はかかっているはずですし、ウソの自白をして赤ちゃんの母親で、自分の娘であり自分の妻が逮捕される。そのことの方が家族に迷惑をかけているはずだと思うのですが…。
【女性の弁護人・植平朋行弁護士(9月18日)】
「鑑定結果の結論部分だけを鵜呑みにして『証拠があるから、やっているやろ』と子供とか、家族をダシに、自白を迫った」女性は、任意の取り調べで警察から「お前はクロだ」「自分がやったことを反省できないようでは子供も同じような人間になる」などと言われ、ウソの自白を強要されたと主張しています。
あなたが取調べ官になったとして考えてみて下さい。
犯人を捕まえた。取調官は証拠から間違いなく目の前の人間が犯人だと考えて自供を導こうとする。
証拠はある。お前はクロだ。
それくらいのことは誰でも言うと思うのです。
私が犯人だと認めなければ家族まで話を聞かれる。家族を巻き込めない。
と考えるでしょうか?理解できません。
私はやっていません。家族からも話を聞いてください。
というのが普通でしょう。家族から話を聞いて欲しくない理由が存在したということなのでしょう。
「自分がやったことを反省できないようでは子供も同じような人間になる」
自分がやってないのであれば聞き流せばよい話でしょう。この言葉をもってウソの自白を強要されたと言えるのでしょうか?
謎の多い冤罪事件です。今後真犯人は特定されるのでしょうか?