~そこまで言うな!~
「水温5度のところだと、何分かで失神します。何十分かでほぼ間違いなく、命が失われる。海に落ちたら終わりなんですよ」
辛坊治郎(66)がまた人の気持ちを考えないヒドイ発言をした。
北海道・知床半島観光船の遭難事件について、自身のラジオ番組「辛坊治郎ズーム そこまで言うか!」の中で発言したという。
乗員・乗客26名が遭難し、11人の死亡が確認されているが、まだ子供を含む15人が行方不明だ。
誰もが”もうダメだ”と思っているだろう。
しかし、公共の電波を使って著名人が発言する際には、遭難者に関係する人たちへの配慮は必要だろう。
「そこまで言うな!」と言ってやりたい!
ヨットでの太平洋横断を成し遂げた辛坊治郎は、海に関する知識は豊富であろう。
その知識をひけらかすことは商売柄必要なのだろうが、こんな発言を聞いたら、僅かな可能性に期待している行方不明となっている乗船客の家族や友人、知人らはどう思うだろうか?
この言葉を聞いて絶望感に襲われた人がいたとすれば、辛坊氏のこの発言は罪だろう。
言葉を商売にしている者は十分に気を付けて発言して欲しいと思う。
~偉そう&独善的!~
辛坊氏は、歯切れ良く、我々が知らない知識を発信してくれる人気の論客であり、コメントにも説得力がある。
しかし、辛坊氏は過去に”壁ドン・パワハラ事件”などのトラブルもあったし、「そこまで言って委員会」の中でも、コメンテーター達が侃々諤々の論争している中、自分の意見を通そうとする発言も何度も見てきた。
以前、立川志らくがMCを務めていたTBS系「グッとラック」にゲスト出演した際には、MCにかまわずに持論を展開して番組進行を壊したこともある。
それはそれで面白かったのだが、志らくはかなり怒っていたように見えた。
このような状況から辛坊氏に対しては”偉そう”とか”独善的”という見方をする人も多いようだ。
面白ければよいという考え方もあるかもしれないが、今の時代は芸能人でも失言で叩かれる時代である。
辛坊本人も、過去、「ミヤネ屋」で、
「私、他局のワイドショーでですね、言うべきことを言ったら、ほぼ出入り禁止になったらしくてですね」
などと発言もしている。
太平洋横断途中にヨットを転覆させ、その数年後に往復横断に成功するなど、資産は十分あるだろうから怖いものなしなのだろう。
~フォローになってない!!~
辛坊氏は、”終わりなんですよ”発言をした瞬間、”マズい”と感じたのだろう。
すぐに、
「低体温症の場合、ごくまれではありますが、脳が低温状態で仮死状態になり、死なずにすむということもまれにありますから。完全に希望を失ってはいけないので、発見、捜索が大切です」
と付け加えたようだ。
2006年に兵庫県六甲山で崖から落ちた男性が24日後に仮死状態で発見されたことがあったそうだが、これは陸の上でのことだ。
海の中で仮死状態になって助かるとは思えない。
慌てて知っていた知識を使ってフォローしようとしたのだろうが、フォローになってないだろ!!