~ドコモの新料金改定はサギ!~
「政府が携帯電話料金が高すぎる。3~4割は安くできる」と言ってから国内の携帯電話3大キャリアが値下げを発表しました。当初、値下げ案に反対していたキャリアは渋々値下げを行いました。
ドコモを契約している私に5月中旬にドコモからメールで新料金の知らせが届きました。5月の終わりに「携帯料金が安くなる」と喜んでドコモショップに行きましたが、料金形態を見ても安くなるのかどうかよく分かりませんでしたが、女性店員から勧められ、新料金に変えることにしました。
家族5人の「家族割り」で私名義で家族がそれぞれ携帯電話契約をしていました。毎月30ギガまでで1万7000円くらいを支払い、子供たちもある程度自由にデータ通信していました。新料金は家族割りの特典がなくなり、「個人で何ギガまで」という制度で新料金に変更した場合、主契約者である私の料金は安くなりますが家族の料金は少し上がるとのこと。トータルで見れば毎月1000円くらい安くなるという説明を受けました。
政府は「3割から4割は携帯料金が安くできるはず」と言って3大キャリアの尻を叩き携帯料金の割引を迫ったはずでしたが、たった1000円かと失望しました。話が違うけれども「自分の旧料金の契約が家族割りだから新料金にしてもそんなに得はないんだ」と理解しました。
新料金になれば家族が機種変更をする時には「携帯電話機の割引はなくなる」とのことで、機種変更時にはとても高額になることも聞きました。「それって全然得じゃないですね」と言ってやりましたが店員は笑顔で「そうですね」って、カッチーンときましたが場末でもめても仕方のないことです。
主契約者の私の負担は僅かに軽減されても地方で薄給で働く子供達のことを考えるとやはり、旧料金を維持した方がいいなと考えましたが、新料金にしなければ旧料金形態はなくなると思っていた私は新料金での契約変更を申し込みました。女性店員は端末を叩いたり、書類を印刷したりと手続きをしてくれました。そろそろ名前を書いて終わりかなと思っていたところ、店員は、
本当に新料金で大丈夫ですか?
と質問してきたのです。「えっ!変えなくてもいいんですか?」と質問したところ、「6月1日から新料金ですが、旧料金での継続もできます」というのです。「早く言えよ」と思いながら旧料金を継続しすることになりました。
結局のところ私にとっては、ドコモの新料金プランは消費者が決して得をするような話ではなかったということだったのです。
その後、職場でその話をしましたがほとんどの人は新料金で契約し直した人がいないことが分かりました。色々調べてみると「基本的には1人当たり携帯料金は500円から1000円程度割安」になるそうですが、機種変更時の機種代の割引がない分を考えたときには長い目で見たら割高になるようです。
結局、政府から携帯電話料金が高すぎるから安くするようにとの命を受けて渋々ドコモは料金を改定しましたが、はっきり言ってサギです。得をする人と得をしない人がいるそうですから全体的な値下げにはなっていないのが実態です。政府が表明した方針とは程遠いと感じました。「ち~がうだろ~!」とどこかの元国会議員のように叫びたい思いです。
~楽天携帯に期待!~
はっきり言って携帯電話料金は高すぎます。昔、エンゲル係数という言葉を習いました。簡単にいえば家計に占める食糧費の割合が高いほど貧乏という話です。家計の中で絶対的に必要な食糧費が高いと他に娯楽やレジャーなど贅沢品にお金が回せないからということなのですが、今や、貧しい家庭の子供でも携帯を持ちデータ通信しています。
各家庭に1台あった局線電話機とは違い、家族が増えれば増えた分携帯料金も増えていきますし、家族間のコミュニケーションも携帯電話で行う場合が多くあります。携帯電話もぜいたく品ではなくなっていますから、エンゲル係数も「食糧費+携帯電話料金」の占める割合にしなければならないと思っています。どこの家庭でも携帯電話は必需品となっている時代です。
そんな中で、期待できるニュースが楽天の携帯電話事業への参入です。この秋から楽天が携帯電話事業に参入することが決まっていますが、楽天は、楽天モバイルで思ったほどの契約数が取れずに携帯事業に参入してくるそうです。
これまで、docomo、au、ソフトバンクの3大キャリアが独占していた携帯電話市場ですが、この3大キャリアの競争によって料金形態やサービスが変動し、今やある程度固定されてきました。ちなみに1人あたりの携帯電話料金の平均は8000円くらいだそうです。高すぎます。家族4人が持てば3万円以上です。
各家庭の家計から毎月、約3万円がこの3大キャリアに支払われ、その分、他への支出ができなくなるため、この3大キャリアがボロもうけしているのです。それを政府が「3大キャリアがもうけ過ぎ!」ということで、「携帯電話料金は3~4割は安くできる」として料金改定を指示したのです。
その結果、ドコモでは新料金を発表して「安くなったサギ」をやりました。他のキャリアのことは分かりませんが、auもソフトバンクも同じようなことをやっているのでしょう。
このままでは3大キャリアの携帯電話料金がこれ以上安くなることはなかったと思います。しかし、楽天の出方次第では3大キャリアの料金が安くなる可能性もあり、楽天に期待するしかありません。
~楽天携帯事業参入で変わるか?~
楽天は、MVNO(仮想移動体通信事業者:通信事業者の設備を使って携帯電話などのサービスを行う事業者のこと)として格安携帯の楽天モバイルを運営していました。
当初、楽天モバイルは「1000万契約」を目標に掲げていたのですが、3年で100万程度の契約しかとれなかったのです。楽天三木谷社長はこれでは大した利益は見込めないと考えたのでしょう。MNO(移動体通信事業者:携帯電話などの移動体回線を自社で保有し、通信サービスを提供する事業者)になって、3大キャリアの中に割って入り、大儲けを企んだのです。
それでも3代キャリアは強いのです。格安携帯が出始めた頃たくさんの人が格安に乗り換えるのだろうと思っていましたが、やはり信頼、安心、安全という面から3代キャリアをやめて格安に乗り換えた人はそれほど多くなかったようです。
楽天がMNOになって成功するためには、3大キャリアの顧客を取り込まなければなりません。それができなかった場合には楽天の携帯事業は失敗に終わるのです。成功するためには3大キャリアよりも料金を引き下げるしかありません。3大キャリアを解約して楽天携帯に変えることで消費者にとって「こんなに得になる」ということを示さなければならないのです。
そのためには3大キャリアよりも少しだけ料金を安くしただけではダメなのです。少しだけなら「面倒くさいから今のままでいい」という人が多いはずです。最低でも月2000円以上の割安にしなければならないと考えていますし期待しています。
そうなれば3大キャリアも客を取られてはいけないと考えて「真の料金値下げ」に踏み切るはずです。3大キャリアも政府が値下げを指示した時にどこまで下げるべきなのかを考えたはずですが、楽天の参入を知っていたため、6月時点では思い切って料金を下げることができなかったと見ています。一旦下げると楽天がそれ以上に下げた場合にさらなる値下げが必要になるからです。
そこで3大キャリアは、値下げしたふりだけしておこうと考え、消費者をだましたのです。実際の値下げは「楽天の料金が決定してからにしよう」と考えたのだと、希望的観測をもって思っています。
~楽天しっかり!~
ところがここにきて、楽天の基地局整備が遅れ、総務省から行政指導を受けたというニュースがありました。期待していたのに「何をやってるんだ!」と叱ってやりたい思いです。
これについて三木谷社長は、
第一弾は(利用者数や機能を限定した)スモールローンチで開始する
と言ったそうですが、バカヤロー!全面的なサービスはずれ込むとのことで、期待していた方にはガックリな話です。
やはり、信頼は大事です。信頼があってこその安心と安全なのです。毎月の携帯電話料金支払いで苦しい生活を余儀なくされている消費者のためにも頑張っていただきたい!
3大キャリアも大儲けせずに消費者のことを考えて料金形態を早く見直してください!