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甲子園の土がメルカリ販売!持ち帰るのはいつから?持ち帰ってどうする?

~「甲子園の土」大安売り?!~

「甲子園の土」が、「メルカリアプリ」に多数出品されているというニュースが流れました。高校野球の聖地である甲子園球場の土がインターネット上で売買されているというのです。アプリ運営会社は、「規定には違反しておらず、出品は禁止していない」としています。何とも切ない記事ですね。

まず、誰もが考えるのは、「出品された土が甲子園の土だとどうして分かるのか」という疑問です。甲子園の土は、黒土と砂を混ぜているそうで、黒土は、岡山県、鳥取県など色々な県から持ってきてブレンドしているそうです。砂も甲子園近くの浜や瀬戸内海、そして中国から持ってきているそうで、その割合などは決まってないそうです。また、春は雨が多いため砂を多めにし、夏は白いボールを見やすくするために黒土を多くしているそうです。

とするなら、メルカリに出品された甲子園の土は、本当に甲子園の土なのか?分かりようがありませんね。出品された土をメルカリが検査することはないし、これでは検査したところで分かりません。球児の汗が染みこんでいるかどうか?そんなの分かるはずはありませんね。

~「甲子園の土」なぜ持ち帰るの?~

なぜ、高校球児は、甲子園の土を持ち帰るのか?誰が始めたのか?など色々な疑問が湧いてきます。まず、誰が初めに甲子園の土を持ち帰ったかについては、諸説ありますので一応ネット上で紹介されているものを書いてみます。

1937年第23回大会で決勝戦で敗れた熊本工業の投手だった川上哲治元巨人軍監督がユニホームに入れて持ち帰った

1946年第28回大会で準決勝で敗れた東京師範学校(現筑波大学)附属中学校佐々木廸夫監督が、選手に手ぬぐいに包んで持ち帰らせた

1949年第31回大会で準々決勝で敗れた小倉北高校の福嶋一雄投手がズボンのポケットに入れた

などがあるそうですが、甲子園球場が完成したのが1924年だそうで、高校野球自体は明治時代からあったそうですから、どれが始まりかは定かではないそうです。しかし、甲子園の土を持ち帰ることが根付いたのは、

1958年夏の大会で沖縄の首里高校の選手が「甲子園の土を踏んだ証に」と本土から持ち帰ろうとしましたが、当時沖縄はアメリカ領だった

ため、検疫上の理由で持ち込むことができず、土を海に廃棄した

そうです。これが反響を呼び甲子園の土を持ち帰る行為が習慣化したそうです。

~「甲子園の土」持ち帰ってどうするの?~

甲子園で試合に負けたチームの選手たちがベンチの前に並び、土を袋に入れて持ち帰るシーンはよく目にします。視聴者はそれを見て、頑張ってきたのに負けて可哀そうだともらい泣きをする人もいるくらい感動的なシーンです。でもこの土を持ち帰ってどうするんだろうという疑問もわいてきます。何十年も前に聞いていたのは、「甲子園出場の思い出として母校のグラウンドに撒く」という話です。高校球児の物の考え方も変化しており、今では少し変わってきているのでしょうね。

~「甲子園の土」売る奴、買う奴~

母校のグラウンドに撒いてしまえば、「どの部分が甲子園の土か分からなくなるじゃん!」というのが現代っ子かも知れません。自分で瓶の中に入れて飾ったり、将来、「なんでも鑑定団」に出そうとか・・・。必死で練習して、青春を野球に捧げてきた選手たちばかりでしょうから、母校のグラウンドに撒くのは「もったいないじゃん!」という気持ちも分かりますね。

何でも鑑定団に出品するほど稀有なものではありませんから、せこい高校球児が、持ち帰った甲子園の土を買ってくれる奴はいないかなと考えたのでしょう。メルカリでは沢山の土の出品があるそうです。価格は、500円から1万円を超えるものまであるそうで、以前には、グランドの土を埋め込んだキーホルダーに3万円前後の価格がついたこともあったそうです。

そんな土を買う人の気持ちが理解できませんね。甲子園の土というのは、頑張って甲子園高野球大会に出場した選手本人には価値があるものでしょうが、出場したこともない人たちにとっては単なる土であり、なんら価値はないはずです。「この土、甲子園の土だぞ。メルカリで買ったんだよ」なんて言って他人に見せて、「オッ、すげえ!」なんていう人はいませんよね。「何でそんなもの買ったの?馬鹿じゃねえ?」と言われるのが落ちです。

~メルカリの他人事感覚は許せない~

問題は、出品されている土が本物の甲子園の土かどうかということです。高級DCブランドの商品を出品して、それが偽物だったら、商標法違反ということにもなってくるはずですが、偽物の土を売っても問題にならないのでしょうか?フリマアプリを運営するメルカリは、「中身が本物かどうかは分かりませんが、ユーザーには自己責任で取引していただいています」との見解。

あまりに無責任すぎませんか?他人事感覚で発言していませんか?自己責任と言っても調べる方法がないわけです。サイト側だって調べようがない。本物かどうかは絶対に分かりません。それを「自己責任です」という。第三者的立場から「サイト側は責任がないよ」と言っているのです。これだけ大儲けしている企業サイトですよ。企業の社会的責任が重要視されている時代に、儲ければ良いっていう無責任なものの考え方でいいのでしょうか?

真偽不明。真偽の調査方法がないようなものを「甲子園の土」として販売している出品者に対して、「〇〇年第〇〇回大会に〇〇高校から出場し〇回戦で敗退した〇〇〇〇です。背番号〇番です。」くらいの説明書を添付する必要はあるんじゃないですか?そうでないと、その辺で拾ってきた黒っぽい土を、金のない奴らがどんどん出品するようになりますよ。

もし、本当に甲子園の土が出品されているとしたら誰が出品するんでしょうか?高校時代に野球馬鹿だった奴が、その後、人生破滅させて貧困生活に陥り、最終的に甲子園の土を売ってしまえというようなことですかね。裕福な生活をしていたらそんなものを売る必要がありませんからね。だとしたら、青春を野球にかけて、必死で練習してつかんだ甲子園出場なんて人生においては、何の意味も持たなくなってしまいますね。

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