事件

千葉県警巡査・永島隼斗が公然わいせつ罪で逮捕されない理由は!罰金はなぜ?

~本当に故意はなかったのか?~

「電車内で陰部を露出した」として1審で罰金刑を言い渡された千葉県警巡査が2審で逆転無罪となりました。この巡査は、千葉県警に復職したそうです。事件の内容は、2016年10月31日昼にJR千葉駅に停車中の電車内で、席に座った状態で、ジーンズのチャックを開け陰部を露出したとして乗客の男に取り押さえられたそうです。逮捕はされなかったそうですが、17年3月に同罪で千葉地裁に起訴され、18年2月、罰金30万円の有罪判決を受け、控訴していたそうです。

 

しかし、東京高裁は、「故意を認める証拠はない」として、1審判決を破棄して逆転無罪を言い渡したということです。事件概要は記事でしか分かりませんが、本当にこの巡査は、故意に陰部を乗客に見せようとしていなかったのでしょうか?

この巡査は、千葉県警柏署地域課に勤務していた永島隼斗巡査(26歳)です。顔画像などは公開されていません。

永島隼斗巡査

~公然わいせつ罪とは?~

 刑法第174条 公然とわいせつな行為をした者は、6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金に処する

と規定されています。陰部露出行為は、当然わいせつ行為に当たります。しかし、この行為が「公然と行われた」ということと「公然と行う故意があった」ということが問題となります。「公然と」というのは、「不特定又は多数の者が認識できる状態」を言い、電車内にいた乗客達が通常であれば、陰部が露出されていることに気づく状態であった場合に公然性が認められるのです。

記事では、取り押さえた乗客は、「向かいに座っていた巡査のチャックが開いていた。近付いて見下ろしたら陰部が見えた」と証言しているそうです。ジーンズのチャックを閉め忘れることは誰にでもあることですね。しかし、そこから見えるのは通常パンツですよね。陰部が見えたというのですから、この乗客は、「巡査が陰部を開けて、故意に女性客に見られる状況を作っているんだな」と感じたのでしょうね。実際はそうだったかも知れません。

乗客は、わざわざ巡査に近寄って「上からのぞき込んで陰部が見えた」と証言しているのですから、乗客の多数が上からのぞき込んでそれを確認するかというとそれは考えられません。これでは公然性はないと言えます。この状態で公然性があったとするならば、「巡査の側にいた人や歩いた人達が自然に見える状態であった」ということが必要になってきます。自然な状態の乗客たちが、近寄ればだれでも確認できる状態でなければならないのです。

巡査の隣には女性が座っていたそうで、この女性は気づいていなかったそうです。巡査はこの女性に見てもらうために、この女性だけに陰部を気づかせるためにやっていたのかもしれません。そうなれば、この特定の女性にだけ認識できるような状態ということになり、不特定又は多数が認識できる状態を作ったという巡査の故意はなくなるわけです。

この特定の女性にだけ見せようとした行為が、乗客誰からでも見える行為であればこれは公然性があったということになりますが、男性乗客1人が近づいてやっと陰部が見えたというのでは公然性は否定されるのです。

~東京高裁の無罪判決に疑問!~

 東京高裁は、「巡査の下着が開口部が開きやすいタイプだった」とした上で、「陰部はジーンズ内にあり、角度によって一部が見える程度に過ぎなかった」と認定しました。また、「隣の女性の注意を引く行動はなく、女性は気づいてもいなかったことなどから『故意と認める証拠はない』」と結論付けた

としています。「角度によって一部が見える程度」としていますが、まさに公然性を否定しているのです。

だとすれば、1審千葉地裁は何を持って、公然性を認めて有罪判決を言い渡したのでしょうか?有罪判決を出した裁判官は、詰めが甘いと言われても仕方がありませんし、その前に起訴した検察官も甘かったとしか言いようがありません。

問題は、2審の裁判官が認定した「巡査のパンツが開口部が開きやすかった」ということです。どのようにして確認したのでしょうか?巡査が乗客に取り押さえられた当時、警察は、巡査のパンツを脱がせて、押収していたのでしょうか?そのパンツが開口部が空きやすかったことを確認していたのでしょうか。絶対にそのようなことはしていないはずです。取り押さえた乗客の証言や隣にいた女性の証言、そして、電車内にあったかどうか不明ですが防犯カメラなどしか証拠とすべきものはなかったはずです。巡査のパンツがどんなパンツかは警察も検察も把握していなかったはずです。

巡査についた弁護士が、巡査に聴取してパンツを特定し、裁判に証拠として提出したのかも知れません。しかし、その開口部の空きやすいパンツを犯行当時に履いていたかどうかは誰にも分からないことだと思います。

もう1点、「角度によって一部が見える程度に過ぎなかった」ということに関しては、もっともらしいように思えますが、見たのは巡査を取り押さえた男性乗客だけです。この乗客が、まじまじと巡査の陰部を見て確認したとは思えません。ちらっと見えて陰部の一部が見えたとでも証言したのでしょうか?

犯行後に、警察は、どのようにして犯行に及んだかということについて、捜査の一環として確認するでしょうが、実際に巡査の陰部を出させて、「こんな状態でした」とやるはずもないですから、どれくらい見える状態であったかは、取り押さえた乗客の証言でしか分からないはずですよね。

~弁護士の功労か?~

佐藤大和という弁護士が巡査の弁護をしたそうですが、この弁護士によるあの手この手の弁護の方法で無罪を勝ち取ったと言えるのではないでしょうか?弁護士が「開口部が空きやすいパンツを裁判に持ってきて証拠にした」という点が勝因だった気がします。この弁護士は、

佐藤大和弁護士

現役警察官に無罪判決が出され、復職を果たしたのは画期的

と自画自賛しているそうですが、まさに弁護士が名を売るために勝利した結果の功労だと思いますね。この様な事件の場合、警察官でない一般の人が犯人ならば不起訴になるような事件です。それを無理して起訴したのでしょう。

~永島巡査は問題児だったのか?~

警察官による犯罪が増えているという感想を持っている人が多いと思いますが、警察官がやった犯罪は、通常即逮捕です。この事件では逮捕していないのです。巡査は当初から否認しており、公然性に疑問が残る状況だったため、警察は逮捕を見送ったのでしょう。一般人であれば、始末書程度かも知れないような事件です。警察官であれば軽微な事件でも逮捕して報道発表するため、警察官の不祥事が多いと感じるのは当たり前なのです。

巡査は、県警の取り調べで「認めないと逮捕する」と言われ、「罪を認める上申書を書かされた」と証言しており、国家賠償請求も考えているそうです。これでも分かるように、警察は巡査の自供が欲しかったのです。巡査が自供しなければ不起訴となる事件をあえて起訴したと言えるのです。

せっかく復職して警察官に戻ったのに今度は千葉県警相手に国家賠償訴訟なんてやったら、いづらくなるはずですがね。やはり、千葉県警は、永島巡査が問題児だったから無理して事件にしたのかも知れないと思うようになりましたね。

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