事件

私人逮捕ユーチューバーの動画で中島蓮がやりすぎ!冤罪&誤認?法律の要件!

~根拠のない情報で?!~

”私人逮捕”の動画が物議を醸している。

どんなものなのかと思い「ガッツch」を見てみた。

「超問題作前編 覚〇剤の取引に突撃し…」

というタイトル。

匿名希望の情報提供者から”金町駅で覚せい剤の譲渡が行われるという情報”を入手したと警察署に電話をする男。

この男が中島蓮(年齢不詳)というらしい。

そんな素性も分からない者からの、何ら証拠もない情報で警察が動けるはずはない。

そんな根拠のない情報で警察が一つひとつ動いていたら何人警察官がいても足りない。

しかし中島本人は、情報提供者から捕まえて欲しいと依頼され、信ぴょう性が高いと判断したという。

冤罪だったら?誤認だったら?どうするつもりなのか?

~日本は法治国家!~

日本は法治国家だ。

他人の自由を制限するには法律の厳格な要件に従わなければならず、法律に反する行動をとれば、いくら正義を振りかざしても犯罪行為となる。

中島は、人相や服装から駅構内で対象の男を見つけ、声をかける。

中島 「ヨッシーまっちゃんさんですか?」

容疑者「あーそうそう」

中島氏がすぐに

「交番行きましょう」

と言うと、

「ん、俺何も持ってないよ。まっちゃんよっちゃんって何のことですか?」

としらを切る男。

中島氏が言う通り怪しさいっぱい。

中島氏は容疑者を交番に連れて行こうとするが抵抗する。

中島氏は、容疑者の腕を掴んだり体を抱いたりして逃げようとする容疑者を引き留める。

中島 「逃げないで逃げないで手荒な真似したくないんで」

既に”逮捕行為”と言われても仕方ない。

通報により駆け付けた警察官も困る。しかし、

この容疑者は、怒らず抵抗もしない。

普通だったら相手を殴ってでも現場から逃げるはずだ。

ひょっとして容疑者はサクラかと疑ってしまう。

 

何の証拠もないのに、中島氏は警察官に向かって

「この人覚せい剤持ってます」

「車の中に覚せい剤があるんで」

などと見たかのようなことを言う。

刑事訴訟法第213条 現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる。

と規定されている。

これは逮捕する者にとって逮捕しようとする相手が100%犯罪を行ったことが確定できていなければならない。

”非常に怪しい”というだけで逮捕ができるはずもないことは誰でも分かる。

現行犯人としての要件が認められない者を逮捕すれば逮捕監禁罪などで処罰される。

刑法第212条 不法に人を逮捕し、又は監禁した者は、三月以上七年以下の懲役に処する。

逮捕監禁罪は罰金刑がない重たい罪であり、ケガをさせればさらに罰則は重たくなる。

 

多くの警察官が駆け付け、容疑者は交番まで連れて行かれる。

容疑者は、所持品検査にも尿の提出にも応じなかったのだろう。

この時点で容疑者は非常に怪しい。

だが怪しいだけで逮捕はできない。

警察官は法律に則って捜査を行う。

令状もないし、無理やり所持品検査も採尿もできない。

中島氏らのように法を無視して強制力を用いる。

それをやれば公務員暴行陵虐罪などで警察官が検挙されることになる。

警察官は、容疑者の視察などを続けて容疑性を明らかにして令状を得る。

そこからは強制的に捜査することができるのである。

中島氏の情報だけで警察官たちは逃走しようとする容疑者に対して無理なことはできないのだ。

警察官も困るだろう。

~正義のため??~

SNSでは、その人物が覚せい剤の取引をする確証はあるのかと尋ねる警察官に対し、中島さんが答えるシーンの一部が拡散し物議を醸している。その動画では、「あなた達が信憑性を感じただけですよね」などと話す警察官に対し、中島さんは「何が言いたいんですか」と質問する。

その後、警察官が「我々と違うから、それはわかってます?今回、あなたたちはそういうことをしたってこと」などと話すと、中島さんは「何が言いたいんですか、マジで。圧倒的に俺たちの方が早かったんですよ!情報提供したけど!」と怒鳴った。

「何が言いたいんですか」と言った中島は本当に分かってないはずはない。

それが分かっていなかったらおかしい。

警察官はなだめつつも「あなたがしたことを聞きたかった」と述べると、中島さんは「それが暴行罪って言われたらそれでいいですよって。覚せい剤を撲滅すればいいんで、俺は」と反論。改めて経緯を聞かれる中で「(人物が)逃走したんで、ある程度の実力行使はしますよ、当然」と説明した。

”実力行使”は私人にはできません。

それをやれば犯罪です。

”暴行罪って言われたらそれでいい”と言っているからにはそれ自体が違法な行為になる可能性があることを中島氏も認識しているのだろうし、それで検挙されることを恐れていないようだ。

ただ、容疑者が警察官に協力して、中島らの行為について被害届を出すことはないのだろう。

中島氏らは”正義漢”ぶって覚せい剤撲滅のために行動していると主張する。

しかしこれを見て正義のためにやっているとは思えない。

本当に正義のためにこんなことがしたいのであれば”警察官になれよ”と思う。

この動画には撮影者も含めて3人が動画制作に関わっている。

視聴回数も10万回から100万回を超えるものまである。

バズり続けるうちは中島氏らは動画撮影はやめないのだろう。

警察に逮捕されて刑務所に送られるまでは。

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