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列車内刃物禁止!国土交通省の省令改正は無意味?新幹線に手荷物検査を!

~電車内に刃物持ち込み禁止を国土交通省が発表?~

今年6月9日午後9時50分頃、神奈川県の新横浜―小田原間を走行中の東海道新幹線東京発新大阪行き「のぞみ265号」の車内で、ナタを持った小島一朗(22歳)が、暴れ、乗り合わせた乗客の男女3人が首などを切りつけられて死傷した事件が起きました。小島を制止しようとした勇敢な梅田耕太郎さん(38歳)が亡くなったのはショックでした。

この事件を受けて、国土交通省は、省令を改正したことで

国土交通省は6日、梱包されていない刃物類の車内への持ち込みを禁止する省令改正案を公表した。在来線や私鉄を含む全ての列車が対象で来年4月1日に施行する。ただ鉄道事業者に、全乗客の荷物を検査することは求めておらず、実効性は不透明だ。

鉄道営業法に基づく省令は現在、爆発物や引火しやすい物品などの持ち込みを禁止しており、刃物類も追加する。同省は、明確に規制対象にすることで、駅員や車掌らが違反を確認した場合、乗客を強制的に降車させるといった対応がしやすくなるとしている。

乗客がやむを得ず刃物類を持ち込む場合は梱包が必要。公表された指針案によると、銃刀法が正当な理由なく所持することを禁じている刃渡り6センチ超の刃物類は、刃先をケースに収納したり、段ボールで覆ったりした上で、かばんや袋にしまう。6センチ以下の場合もかばんなどに収納する。

と報道されました。

~国土交通省の省令改正は無意味!~

銃刀法(銃砲刀剣類所持等取締法違反)では、刃体の長さが6センチメートル以上のナイフや包丁などの刃物を正当な理由なく携帯することを禁じています。携帯というのは持ち歩くことを言います。これは正当な理由があれば持ち歩いても良いということです。

例えば料理人が必要に応じて包丁を持ち歩くことや大工が必要に応じてナイフ類を持ち歩く場合などです。

この様な場合は、刃先をむき出しのままでは車内に持ち込めないということで、すぐに刃物を使用できないように段ボールで覆ったり、刃先をケースに収納したりしたうえで、人目につかないよう袋やカバンにしまわなければならないということです。

しかし、空港の様に搭乗前の検査はないのですから、お客がいちいち自主申告しなければ駅関係者には刃物を持ち歩いている客は分からないのです。

小島容疑者のような事件では、犯人が刃物を使って人を襲うと企て、刃物を隠匿携帯して電車に乗り込むのです。

刃体の長さが6㎝を超える刃物を隠匿携帯している時点で銃刀法違反の現行犯人として誰でもその者を逮捕することができます。しかし、隠匿している訳ですから犯人の隣に座っている乗客でも刃物を持っているかどうかは分かりません。

しかも、この様な犯人は、犯行に移る段階で刃物を取り出し、付近の乗客を襲うのです。それを見た車掌が「刃物を持っているから降りなさい」と言っても仕方がない話です。この様な省令改正をして本当に意味があると思っているのでしょうか?

刃物を周囲から見えるような状態で電車に乗る人はいないと思いますし、正当な理由があって刃物を携帯している人はそれなりに人目につかないように携帯するでしょう。そうであれば、駅関係者が「あなたそんな刃物を持って電車には乗れませんから降りて下さい」などというシーンは考えられません。

国土交通省は、何のためにこの様な省令改正をしたのでしょうか?理解に苦しみます。何も手を打たなければ世論に叩かれるから何か手を打った形を作っておこうという考えにしか見えません。官僚などと言うのはその程度のレベルとしか言いようがありません。

~乗客の安全を守るなら乗車前検査を!~

最近では、遠距離の運賃は、新幹線よりも航空機の方が格安です。その航空機の搭乗前に警備員による手荷物検査があるのに、新幹線が手荷物検査をしないのは何故でしょうか?航空機内でハイジャックその他の事件が発生しないために手荷物検査を行って危険物を除去しようというのです。新幹線も乗客の安全を守るために手荷物検査は必要です。航空機は乗客の安全を守るが新幹線はその必要はないという考え方は理解できません。

新幹線の改札口でエックス線検査機を置いて、手荷物を通すというだけです。その中に危険物があれば降車駅まで車掌が預かることもできるでしょう。それくらいのセキュリティ対策は今後必要になってくると思います。

国土交通省には、もっと実態に即した安全対策を行って欲しいものです。

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