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アポ電強盗とは何?江東区では殺人事件も!対策は留守電にすること?

~「アポ電強盗」連続発生?!~

1月11日未明、渋谷区初台の住宅に3人組が押し入り、90代の夫と80代の妻を縛ったうえ、現金約2千万円と宝石を奪って逃走。2月1日朝には渋谷区笹塚の住宅に3人組が押し入り、80代の夫と70代の妻を結束バンドで縛り、約400万円を奪って逃げた。

そして、

2月28日午前11時頃、江東区東陽のマンション玄関に、上下黒い服でフードをかぶりマスクを着けた人物が入っていく姿を防犯カメラが捉えていた。数分おいて同じような服装の2人目、3人目。そして約30分後、3人は一斉にマンションから出てきた。

同じ3人とみられる人物が近くに止まっていた軽自動車に急いで乗り込み、一方通行を逆走して走り去る様子も目撃されていた。

マンションンの3階に住む加藤邦子さん(80)の遺体を、訪ねてきたケアマネージャーが発見したのは同日午後1時50分頃。加藤さんは粘着テープなどで手足を縛られており、室内には棚や引き出しを物色した跡があった。司法解剖の結果、加藤さんは首を圧迫されるなどして窒息死した疑いがることが分かった。

という事件。

この3件の強盗殺人事件では、事件前に「アポ電」と呼ばれる不審な電話がかかっていたのです。加藤さんは「家にお金ありますか」という不審な電話がかかってきたことを知人に話していたという。また、渋谷区の2つの事件でも事件前、家族を装って「病気になったのでお金が必要」という電話がかかってきていたことが明らかになっています。

~「アポ電」とは?!~

この不審な電話を「アポ電」と呼ぶようになって何年も経過しています。アポ電とは

オレオレ詐欺、架空請求詐欺、融資保証金詐欺、還付金詐欺などを総称した特殊詐欺の犯行グループが事件前に自宅の固定電話(局線電話)に電話して、お金やキャッシュカードなどを用意させる手口です。

オレオレ詐欺の場合は、息子などをかたり「風邪を引いてのどの調子がおかしい」などと声が違っていることの言い訳をし、「会社の金を使い込んでしまった」「女性を妊娠させてしまった」などとお金が必要になった理由を告げ、「このままでは裁判になる」「逮捕される」「助けて」などと親心を利用して金を要求するのです。

架空請求詐欺には多種多様なものがありますが、一般的には「〇〇さんですか、〇〇警察署の○○です。中国人グループがあなた名義の通帳などを大量に持っていました。あなたの口座が狙われています。今から警察官を自宅に行かせますのでお持ちのキャッシュカードを渡してください。」「あなたの自宅近所に老人介護施設が建設されます。入居は○○市の方に限られています。あなたの名義を貸してください」などです。

このアポ電による詐欺事件では一度に多額の被害に遭いますから、犯人グループにとっては一番おいしい事件なのです。このアポ電で犯人側は、電話を受けた高齢者が、犯人側の話したことを信用しているかしていないかを判断し、一連の犯行を継続するか否かを判断するのです。アポ電のアポはアポイントメント(appointment)の略ですが、いわゆる次に自宅を訪問したり、待ち合わせをするための約束をする電話ということでこの様な名前で呼ばれるようになったのです。

~政府・警察は特殊詐欺に対する本質的な対策をしていない!~

アポ電がかかってこなければ、又はアポ電を受けなければこの様な犯罪被害に遭うことはないのです。警察庁や政府は「アポ電に出ない」「留守番電話にしましょう」などと言って啓発しています。

アポ電がかかってくるのは高齢者方です。高齢者の中には自宅電話に電話がかかってきても知らない番号なら出ないようにしているという方はたくさんいるようです。しかし、高齢者です。日頃そう思っていても突然に鳴った自宅の電話に「出てはいけない」ということを忘れてとっさに出てしまうのです。電話に出てもほとんどの高齢者は「詐欺だ!」と気付いて電話を切ります。しかし、中には犯人側の言うことを信じてしまう人がいるからこの種の被害がなくならないのです。

政府や警察庁が言うような対策を何年も続けてきましたが全く被害は減りません。次のグラフは警察庁のホームページに掲載されている特殊詐欺被害状況です。

認知件数被害額の推移


平成16年から平成30年までの統計ですが、認知件数では減っていますが被害額では増えていることが分かります。警察などでは多種多様な広報を重ねています。詐欺被害防止を訴えるチラシを配布したり、マスコミを使っても広報しています。中には酷いものがあり、高齢者の集まる会合などで詐欺被害防止の寸劇を披露して高齢者の笑いをとったり、どこかの警察官が広報の歌を歌ったりしています。

この様な広報を目にしたときに、広報ありきで広報しているのではないか?広報していれば何でも良いような気持ちで取り組んでいないか?本気で取り組んでいるのか?と思ったものです。グラフの通り、これまでの警察の特殊詐欺対策では被害が減少しないことが明らかになったのです。

この様な状況では、犯人グループが犯行を断念するわけはないのです。高齢者を騙せばいくらでも儲かるのですから、犯人グループたちも金儲けのために悪知恵を働かせ、新たな手段方法を考えながら、どうやったら騙すことができるのか研鑽を重ね訓練しているのです。

高齢者たちはこの様な被害から身を守るために何か努力をしているのでしょうか?全くしていません!騙された人をあざけり笑い「何でこんなんで騙されるの!馬鹿じゃないの!」と言って、「私は絶対に騙されない」と思っているだけです。

警察や政府が高齢者に「こうして下さい、ああして下さい」では高齢者が自らを守るための行動を起こそうとはしないのです。今まではお金をだまし取られるだけでしたが、高齢者の命まで狙われるようになってしまいました。何とかしなければ高齢者の安心安全は守れません。

簡単にできる対策があります。「アポ電」が必要なオレオレ詐欺や架空請求詐欺には絶対に有効です。それは、全国の個人宅の固定電話(局線電話)を無くす、つまり、廃止することです。

~固定電話(局線電話)廃止で特殊詐欺は激減!~

高齢者たちが過去に買い物や取引で作成した個人情報記載の契約書や入会手続き書などの書類から作成された名簿がインターネット上で多数取引されている時代です。誰でもそのような個人情報が記載された名簿の購入ができるのです。犯人グループはこの様な名簿を、名簿業者から購入してそれを見て「かけ子」と呼ばれる奴らに片っ端から高齢者宅の固定電話に電話させるのです。

犯人グループにとっては、千人のうち1人が騙されれば十分なのです。実際にはもっと騙される人が多いはずです。この様な電話は、すべて固定電話にかかってくるのです。携帯電話ではありません。犯人グループは固定電話に電話をかけ、名簿の名前の人が応対したら、名簿記載の電話番号から住所も分るのです。「金融庁の電話調査です。現在、自宅に置いている現金について電話で調査しています。お宅は今、自宅に現金をいくらおいておられますか?」と尋ねると、「アッ、今ですか、1千万円くらいですかねー」

「お母さん、ちょっと喉にポリープができて声がおかしい。集金した会社のお金を病院で盗まれた。助けて!」「弁護士ですが、○○さん、老人ホームの入居者契約で他人に名義を貸しましたね。これは犯罪ですよ。私が何とかしますから裁判費用300万円用意してください」と電話がかかってくるのは全て高齢者方の固定電話なのです。携帯電ではないのです。

~政府はNTTに忖度している?!~

固定電話がなければ特殊詐欺被害額は大幅に減少し、件数も減少することは警察庁も政府も分かっているはずです。こんなことは誰でも考えれば分かることなのです。しかし、NTTの固定電話を野放しにしているのです。

戦後、日本は高度経済背長と共に各家庭に1台の電話機が設置されるようになりました。当時、電話設置の債権が10万円くらいで、家庭に電話を設置するためには10万円かかっていたのです。その後、電話機の債権が売り買いされた時代もありました。しかし、いつの間にか法律でその債権は0円になり、電話機を撤去してもその債権は1円も返ってこなくなったのです。これもNTTと政府による詐欺だと思っています。

昭和の時代にNTTは、日本電信電話公社から民営化されて大企業となり莫大な利益を上げていたのです。もちろん固定電話のお陰です。また、携帯電話がない時代には、全国津々浦々いたるところに公衆電話ボックスが設置され、テレフォンカードは誰もが数枚持っている時代もありました。しかし、携帯電話の普及と共に公衆電話は激減し、今では探すことさえ難しくなっています。

固定電話も今となっては高齢者以外は設置していません。50歳代までの人は家族一人ひとりに携帯電話が普及しており、固定電話は商売しているような人しか設置していません。

高齢者もほとんどは携帯電話を持っている時代です。しかし併せて固定電話も持っているのです。高齢者は変化を嫌いますから、長年自宅に設置していた固定電話を外すことに不安を覚えるようです。

固定電話だけで毎月2000円から3000円の使用料金を支払っているのですが、固定電話にかかってくる電話といえば、全く知らない業者からのセールスばかりで、ほとんどの高齢者家庭で固定電話が必要でもないのに設置されているのです。

~「固定電話廃止法」を作れ!~

高齢者に「固定電話を外しましょう」と言ってもだめです。私が高齢者にこの話をすると「自治会に固定電話の番号を届けているから外せない」と答える人が何人かいました。自治会に新しく持った携帯番号を伝えればよいだけなのに、高齢者はそんなことすら頭が働かないのです。そんな高齢者を犯人グループがだますことはたやすいことなのかもしれません。

政府関係者も警察関係者も固定電話撤去が最良の特殊詐欺対策になることは十分わかっているはずなのです。それをなぜしないのか?政府とNTTの癒着を考えるほかありません。はっきりとした証拠を持っているわけではありませんが、NTT職員から国会議員になった人もいます。また、NTTから自民党が献金を受けているという話も聞きます。

この癒着がある限り、固定電話廃止は難しいのかもしれませんが、野党が法案提出しても良いんじゃないのでしょうか?何度も言うように高齢者に固定電話を外しなさいと言っても言うことを聞かないのです。「固定電話廃止法」を作るべきなのです。そうすれば高齢者方にアポ電がかかってくることはありません。高齢者が携帯電話を持っていれば、その場で110番や119番ができるようになるのです。

あと30年も経てば、日本から個人宅の固定電話は消えます。しかし、あと30年も特殊詐欺被害を指をくわえてみているわけにはいかないのです!

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