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闇営業のお笑い芸人メンバーは!解雇や謹慎はなぜ?反社会勢力とは?

~何が悪いのか?~

お笑い芸人たちが反社会勢力主催の会合へ参加していた「闇営業」がマスコミにより叩かれ、主犯のカラテカ入江慎也が吉本興業を解雇されました。更に参加した

宮迫博之、ロンドンブーツの田村亮、レイザーラモンHG(住谷正樹)ガリットチュウ福島善成、くまだまさし、ザ・パンチ・パンチ浜崎、天津の木村卓寛、ムーディー勝山、2700の八十島宏行と常道裕史、ストロベリー・ディエゴ

が吉本興業から謹慎処分とされ、

ザブングルの松尾陽介と加藤歩

ワタナベエンターテインメントから謹慎処分を受けたことが報じられ、テレビのワイドショーでも取り上げられています。この報道を見ていて何が悪いのかよく分かません。マスコミが指摘している点は、

所属事務所を通さずに「直営業」といわれる「闇営業」をしたこと

営業の場が反社会勢力である詐欺集団主催の集まりであったこと

反社会的勢力から金銭を受け取っていたこと

金銭を受け取っていたことを「受け取っていない」とウソをついていたこと

の4点が挙げられます。果たしてこれが解雇処分や謹慎処分を受けるほど悪いことなのでしょうか?

~お笑い芸人たちに社会規範を求めるのか?~

お笑い芸人たちはテレビに出て国民の前で芸をするのが仕事です。このほとんどは普通の社会生活から逸脱してお笑いの道を選んだ人たちです。そんな人たちに対して国民は社会的規範の順守を求めているのでしょうか?そんな目でお笑い芸人を見ている視聴者はいないと思います。

お笑い芸人自らが犯罪を犯したり、反社会勢力のメンバーになったというのであれば、それはマスコミに叩かれてしかるべきだとは思います。サラリーマンが会社を通さずにアルバイトをした。アルバイト先の経営者が反社会勢力であったとしてそのサラリーマンは叩かれることなのでしょうか?

今日、散髪に行きました。散髪屋でこの話題が出ました。私は、

反社会勢力の者が散髪に来ました。ここが気に入って反社会勢力の仲間が次々に散髪に来ました。「来ないで下さいと言えますか?」

と質問しました。主人は、

いいえ、反社会勢力と分かっても「来ないで下さい」と断ることはできません。

と言いました。当然でしょう。

散髪代金は反社会勢力がオレオレ詐欺で稼いだ金で支払ったとしたら

との質問に対して、

それは、犯罪で稼いだお金かどうか私には分からないし問題ない。

と答えました。

不特定多数の客を相手にする商売では、知らず知らずのうちに反社会勢力集団の人を相手にしているかもしれません。それが後に反社会勢力のメンバーだと分かったからって商売をしている人に何らかの批判が起こるかと言ったらそんなことはないでしょう。

処分を受けたお笑い芸人たちは、「反社会勢力集団だとは知らなかった」と言っています。現場でその集団の顔を見て、「こいつら普通じゃないな」と思ったとしても、その時点で芸をせずに帰るという選択肢はあり得ないはずです。

~「直営業」を「闇営業」と呼ぶマスコミ!~

お笑いタレントの間では、事務所を通さずに知人から頼まれて営業して小遣い稼ぎをすることはよくある事だそうです。吉本興業でも小さな額の営業なら会社を通さずにやらせていたそうです。この様な営業を「直営業」と呼んでいるそうですが、「闇営業」と呼ぶこともあったそうです。

マスコミはこの様な事柄を面白おかしく報じるためにあえて「直営業」と呼ばずに「闇営業」と呼んでいるのですが、この言葉自体で「悪いことをしている」感を醸し出しているような気がします。このことを報じた週刊誌フライデーの悪意が明らかです。

事務所を通さなかったことで事務所が怒るのであればそれはそれで分かる気がしますが、マスコミが報道するような事柄ではないと思います。

~反社会勢力からの金銭~

報道では、反社会勢力から受け取った金銭は、「詐欺被害にあった被害者のお金だ」というのです。反社会勢力は犯罪で稼いだ金で生活し、家族を養っているでしょう。反社会勢力が支払った金を受け取った人たちは全員が同じ責めを負うのでしょうか?

カラテカ入江と親しかった男は表向きにはエステサロンを経営し、裏で詐欺集団のボスだったというのです。少なくともカラテカ入江は、詐欺で稼いだお金で支払われたという認識はなかったはずですし、参加したお笑い芸人たちもそうだったはずです。

フライデーが報じて、反社会勢力集団から金銭を受け取ったことを認識して初めて、芸人たちは問題意識を持ったのではないかと推測されます。そこで、「皆でお金は受け取っていないことにしよう」と口裏を合わせたのでしょう。

自分が悪いことをしてそれを黙っていることや隠すことは誰にでもあるウソです。自分の身を守るためにウソをつくことは倫理的には悪いことですが、法的には悪いことではないのです。

刑法に証拠隠滅罪という罪がありますが、これは他人の犯罪に関して証拠を隠滅する行為が罰せられるのです。当然です。自分の犯罪行為がバレないように証拠隠滅する行為は人として自然なことですから、それは法律で罰することはできないという考え方からこの様になっているのです。

そもそも今回の闇営業は犯罪行為ではありません。「それをマスコミに叩かれるからお金はもらってないことにしておこう」という考え方は褒められたことではありませんが、批判される事でもないと思います。

~処分を受けたお笑い芸人がやるべきこと!~

これだけマスコミに叩かれた今回の「闇営業」事件ですから、このまま解雇、謹慎処分を受けただけでは済まなくなりました。今後、処分を受けた芸人たちは、反社会勢力から受け取ったお金をどうするのかが問題です。

振り込め詐欺やヤミ金融などの財産犯で犯人が犯罪によって得たお金を没収して被害者に返還する「被害回復給付金支給制度」というものがあります。今回の「闇営業」で受け取った金銭にプラスアルファの謝罪金を上乗せして、検察庁に寄付するべきです。

それをやればもう許してあげてもいいのではないかと思います。

~吉本は自社への批判回避が目的!~

吉本興業はなぜ、芸人たちの処分をしたのかについて考えると今の日本社会を表しているような気がします。昔、会社は社員を守る」という風潮がありましたが、今は、「社員を見殺ししてでも会社を守る」といった風潮が主流のような気がします。

今回も、週刊誌で報じられた芸人たちが反社会勢力の集会で営業したことで、これを許せば吉本興業がマスコミやネットで叩かれることになります。昔であれば、芸人たちに社会への謝罪をさせて、吉本興業自体も謝罪するという流れで事態は収拾したはずです。

しかし今の日本社会はそれでは「甘すぎる」とか「吉本興業は反社会勢力との交友を許容した」などと叩かれる時代です。この様な状況を鑑みて、吉本興業は調査を徹底して金銭授受の事実を突き止め、芸人たちを処分したのです。この処分によって吉本が社会からの批判を避けたと言えるのでしょう。

吉本興業からすれば、処分された芸人たちは単なる労働者なのです。これに代わる芸人たちはゴマンといますから吉本からすれば世間を気にして処分したのだと思いますが、これが今の日本社会なのです。

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