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大阪岸和田で大植良太郎被告が検察庁が収監の際に逃走!なぜ&増えた?

~続く検察事務官たちの失態!~

また、大阪で保釈中の被告が逃走しました。被告というのは警察に逮捕されて起訴(裁判を提起すること)された人のことで、起訴される前は被疑者と言います。被告は保釈金を支払って保釈されることがあります。保釈された被告が逃走したり、正当な理由なく出頭しなければ保釈金が没収されますから保釈金を返してほしいため、逃走する被告はほとんどありませんが、時折、逃走する輩がいます。

最近、被告が逃走する事件が増えているように思っている方が多いと思います。今年6月、窃盗罪などで収監のために訪れた横浜地検の事務官らに包丁を振り回して逃走した小林誠被告(43)の事件。先月30日に大阪地検岸和田支部で、保釈を取り消された後、地検に出頭した後に車に荷物を取りに行くと言って、大阪地検岸和田支部の検察官を振り切って逃走した岡崎公栄被告(49)の事件。そして今回の大植良太郎被告(42)の事件です。

大阪府東大阪市の路上で、大阪地検が収容した男が護送中のワゴン車から逃げた事件で、男が逃走現場から東方面に走り去ったことが10日、地検への取材で分った。地検などは10日も引き続き、男の行方を捜した。

男は同府岸和田市、遊技機設置業、大植(おおうえ)良太郎被告(42)=覚せい剤取締法違反罪と大麻取締法違反罪で公判中。大阪地裁岸和田支部(岸和田市)の判決公判に3回出廷せず、7日に保釈が取り消されていた。

逃走事件は9日午前4時ごろ発生。府警河内署員が被告を任意同行し、検察事務官3人とともに、ワゴン車で仮留置先となる府警枚岡(ひらおか)署に護送中だった。被告は手錠、腰縄姿で車の3列シートの最後尾に乗車。走行中に「手錠がきつい」と訴え、事務官が左手の手錠を外し、かけ直す際に暴れた。ドアが半開き状態になり、運転していた女性事務官が車を停車。その後、2列目のドアから逃走を図った。事務官2人が車外から押し戻そうとし、車内の1人は腰縄を引っ張ったが逃げられた。この際、被告ともみ合いになった事務官2人が軽傷を負った。

またまた検察事務官たちの失態です。何度同じことを繰り返すのかと腹立たしい思いです。検察事務官なんていうのは、被疑者、被告人に対する取扱いについての厳しい訓練も受けておらず、囚人たちを押さえつけるような気概もない連中です。検察官の秘書役の事務的な仕事をする人たちですからこういった人たちでは、今から刑務所や拘置所に入れられ、何年も出てこれない立場の被疑者や被告人たちを適正に収容、護送することなど無理なのです。警察官や刑務官の力を借りるべきです。今後検察事務官だけでの収容・護送はやめるべきです。

~なぜ被告は逃走するのか?~

被告は収監されて裁判での判決で有罪が決まればそのまま刑務所に入ります。何年も何年も娑婆には出て来れないのです。犯罪行為を犯して逮捕される。警察署留置場での勾留期間中、「バカなことをした」と反省する人もいれば「ヘタを打った」と捕まったことを悔やむ奴もいます。しかし、皆が「何とか罰金刑で済まないか」「不起訴にならないか」「執行猶予がつかないか」などと考え刑務所に収監されることを逃れようという思いで一杯なのです。

起訴されて裁判が開かれるようになって被告人なります。第1回公判での罪状認否で、「間違いありません」と罪を認める。それでも弁護士に「執行猶予付きませんかね。お願いします」と懇願しますが、「無理」と言われれば「俺はこのまま何年も刑務所暮らしか」と絶望します。しかし、「もう一度娑婆に出たい。娑婆に出てもう一度うまいもん食いてえ。」「子供に会いたい」「シャブを打ちたい」などという願望が募るのです。

そこで、お金はないけれども弁護士に保釈申請を請うのです。「お金は知り合いにお願いして何とかしますので保釈で出れませんか」と。殺人事件や組織的な犯罪でなければ保釈される可能性は高いので、弁護士はお金さえあれば被告の希望で保釈申請をします。そして何とか保釈金を積んで娑婆へ出ます。保釈金は、200万円とか300万円が普通で、この中から弁護士料を引かれるだけでそのほとんどは返還されますから、被告を信じてお金を貸す人もいるのです。しかし、逃走してしまえば保釈金は没収されます。

それでも被告たちは刑務所に入ることが嫌で嫌で裁判にも出頭せず、保釈されたまま行方不明となった人もたくさんいます。やはり多いのが覚せい剤前歴者たちです。刑務所に入る前にもう一度覚せい剤の薬効を味わって、収監前には覚せい剤を絶とうと考えるのです。しかし、覚せい剤の依存性は高く、簡単にやめられるものではありません。

検察庁からの呼び出しを受ける頃には、覚せい剤をやめて体内から覚せい剤を抜いて出頭しようと考えるのですがやめられません。覚せい剤から手が切れない状況になって、地検から収監にやってくる。このまま収監されれば、新たな覚せい剤取締法違反事件でまた逮捕される。何とか1週間以上は逃げ続けなければいけないと考えます。逃げる方法はまちまちですが、包丁を振り回したり、ひき逃げしたりなどすれば公務執行妨害罪などの罪が増えるので、バカな行為と言えます。

逃走に成功した被告たちは、仲間や知人にかくまわれ、そこでもやはり覚せい剤に手を出してしまうのです。「体から覚せい剤を抜いて1週間経ったら出頭しよう」という思いも覚せい剤の魔力には勝てないのです。そのうち、身柄を確保され再逮捕されて当初の罪に加えて覚せい剤取締法違反の量刑が加重されることになってしまうのです。大植良太郎被告は覚せい剤取締法違反の被告人であり、神奈川の小林誠被告も覚せい剤前歴者、岸和田の岡崎公栄被告も覚せい剤使用の容疑がありました。この事実を見ても逃走の被告のほとんどは覚せい剤依存者と言えるのではないでしょうか?

~収監前逃走は増えたのか?~

収監前の逃走事件が度々報道されるようになりました。実際に最近になって逃走事件が増えたのでしょうか?そうではありません。以前から度々このような逃走事件は起きていたのです。しかし、いちいち報道はされていませんでした。何故ならばわざわざ検察庁の恥をさらす必要もなく、報道することによって市民の恐怖心を不必要にあおるようになるからです。

しかし、小林誠被告は検察事務官らに刃物を振り回して逃走しましたから、小林被告が刃物を使用して2次犯罪を引き起こす可能性もあったため、検察庁としても報道すべきか否かについて迷ったのだろうと思います。小林被告が逃走後、神奈川県警が緊急配備を敷いたのは事件発生の4時間以上も後となり、地元自治体への連絡も行われず、地元では「報道で知った」ということが報道され検察庁が批判を浴びました。「なぜもっと早く情報提供がされなかったのか」という大きな問題点が浮き彫りにされ、この種逃走事件については検察庁も情報を開示して報道発表しなければならなくなったといえます。

その後の岡崎公栄被告や今回の大植良太郎被告の場合は単に逃走したと言うだけで刃物などの危険物を所持していたということはありませんでした。それでも検察庁は情報提供しなかった場合の後の検察への批判などのリスクを考えて公表に踏み切ったのでしょう。しかし、単に犯人が逃走しているという事案は、警察の捜査段階でもたくさんありますし、皆さんがよく目にする「指名手配犯のポスター」も逃走中の犯人ですから、全国には逃走している犯罪者はたくさんいるのです。

世論は「全ての逃走している犯罪者の情報を国民に提供せよ」と考えているのでしょうか?そんなことはないと思います。窃盗事件や覚せい剤事件の被告人が逃走したというだけで、その者たちが一般市民を襲う可能性などはとても低いものだと思われます。可能性が低くても可能性がある以上情報提供せよというのであれば、警察の捜査段階で逃走中の被疑者の情報も提供せよということになります。

しかし、未だ捜査中の犯罪者ですからそれを公にすることもできません。また被告といえども判決を受けて確定するまでは被告人であってまだ容疑が濃厚という段階のものですから、無罪になる可能性もある人たちなのです。それら逃走した被告人が一般人を巻き込む恐れがない場合にいちいち報道することで、不必要に人心に恐怖心を与えることが良いことなのかどうかも考えなければならないと思います。

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