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ながら運転の厳罰化でイヤホン&カーナビだめ!12月から!警察庁の説明?

~携帯電話よりも危険な運転はいっぱい!~

いよいよ12月1日から”ながら運転の厳罰化”が始まります。自動車を運転していると携帯電話で通話したり、メールを打ったりしながら走行する運転手をよく見かけます。大通りよりも一本中に入った路地に多い気がします。大通りならば見通しが良くて警察官に見つかる可能性が高いため見つかりにくい見通しの悪い路地での使用が多いのだと思います。確かに危険なのは分かります。

しかし、新聞をハンドルの上に広げたり、漫画本や雑誌を見ながら運転する人もよく見かけます。犬を運転手の膝の上にのせたりする人も多くいます。運転手の膝の上に犬を乗せて運転する行為は運転の妨げになるということで違反として切符処理されるらしいのですが、犬を助手席に乗せる行為は罰せられないそうです。犬が突然運転手に跳びかかって来たりする可能性はありますからとても危険な気がするのですが、それは取り締まれないそうです。

また横や後ろにいる人たちとワイワイガヤガヤおしゃべりしながら運転する人もよく見かけますが携帯電話の使用よりもよほど危険な気がします。なぜ携帯電話の使用だけが厳罰化の対象になるのでしょうか?

~「”ながら運転”による事故が急増」は本当?~

携帯電話使用の”ながら運転”が厳罰化される理由は、”ながら運転”による事故が急増し、死亡事故に至るケースも増え、被害者家族が厳罰化を望んでいるということが理由とされています。

昨年9月、新潟県関越自動車道でバイクを運転していた男性が、スマホで漫画を読みながら運転していた男のワゴン車に跳ねられ死亡した事故や今年9月、新潟県の国道でスマホでロールプレイングゲームをしながら普通自動車を運転していて高齢者をはねて死亡させた事故などが思い出されます。これらの事故は、漫画を読んだり、ゲームをしたりといった”安全に運転しようと言う意識のない人たちの行為”によって起こされた事故ですから携帯電話で通話しながらとか携帯画面を見ていたというような誰もが悪気もなくちょっとだけ、周囲の道路状況を気にしながら事故を起こさないように慎重になりながら行う行為とは全く別物のように思います。

死亡事故などの被害に遭った遺族らが厳罰化を求めることは理解できますが、本当に”ながら運転”で事故が増加しているのかということについては疑問が残ります。以前、私の友人がスマホを見ながら運転していて道路の縁石に乗り上げるという事故を起こしましたが、友人は警察に「携帯見てたって言えないから、眠たくてうとうとしてしまった」と言ったそうです。

携帯電話見ていて事故を起こして警察官に「すみません、携帯見てました」「携帯で話してました」って言うバカはいないでしょう。事故の相手の車両に設置されたドライブレコーダーに携帯電話を使用している様子が映っていたとというのであれば言い逃れはできませんが、ドライブレコーダーが普及してきたのも”あおり運転”の悪質性ががマスコミに取り上げられるようになってからのことで、最近のことですよね。

厳罰化が決まった今年夏頃にはまだそんなケースは稀であったと思うのですが、なぜ携帯電話による”ながら運転による事故が急増した”と言えるのかが不思議です。

~警察庁の説明に疑問!~

警察庁は「携帯電話使用等に係る交通事故発生状況(平成30年中)」について、次のようにグラフや表を用いて説明しています。

平成30年中の携帯電話使用等に係る交通事故件数は、2,790件で過去5年間で約1.4倍に増加しており、カーナビ等を注視中の事故が多く発生しています。また、携帯電話使用等の場合には、使用なしと比較して死亡事故率(注)が約2.1倍でした。

(注)「死亡事故率」は死傷事故に占める死亡事故の割合をいう。

https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/keitai/keitai2.jpg

これってどうなんでしょう?上の棒グラフを見てください。平成30年に2,790件の”ながら運転”に起因する事故が発生しました。その内、カーナビを見ていたことに起因する事故が1,698件と最も多く、携帯の画像を見ていてことに起因する事故が966件、通話に起因する事故が144件となっています。

カーナビを見ていただけで事故を起こことはないと思います。カーナビでテレビを見ながら運転している人は多くいますからそのような人が事故を起こしているのではないでしょうか?またカーナビを操作していて前方不確認での事故なら分かりますが、普通にカーナビの画面をズーっと見続けて運転する人はいません。

またこれだけカーナビによる事故が本当に多いのであれば、”ながら運転”を厳罰化するよりも車両のカーナビ設置を禁止すべきなのではないでしょうか?

カーナビを見て運転することが交通違反になると思っている人はほとんどいませんから、事故を起こして警察官に「カーナビを見ていました」と申告する人はいるかもしれません。それによって過失の度合いが重くなるという認識が無いのですから。しかし、966人も「すみません携帯を見てました」って、144人が「通話してました」って言うはずないと思いうのですが…。違反行為をしてたって自分の口から言いますかね?ドライブレコーダーなどで物理的に判明した数にしては多過ぎるように思います。この統計はどうも怪しい感じがします。

もしこれだけの人が正直に言ったのであれば、携帯使用を隠す人の数を考えれば、携帯使用に起因して発生した事故はもっと多く発生していたということになります。

下の表を見ると、平成25年から平成30年の5年間にながら運転全体で752件件発生していますが、死亡事故は増減を繰り返しながら6件しか増加していないのです。当然全国の話ですから死亡事故は結果的に増加していますが、たった6件しか増加していないのです。この内訳についてカーナビなのか携帯電話に起因する事故なのかの説明がありません。

「死亡事故率比較(平成30年)」のグラフも、「いわゆる人身事故(ケガを伴う事故)の内、死んだ人の数が何人いるか」という説明ですが、死亡事故率と言うのであれば、物損事故を含めた全事故の中にどれだけ占めるのかという説明でないとおかしい気がします。物損事故の中にも携帯電話の使用が起因となる事故も多数含まれていると思いますから、物損事故の中に”ながら運転”に起因する事故がどれだけ含まれているのかも死亡率に関係してくると思うのです。

~イヤホン通話は?~

とにかく12月1日からながら運転の厳罰化が始まってしまうわけですから、法律に従わざるを得ません。これまで警察官に見つかって切符を切られたら普通車が反則金6000円だったところが1万8千円です。1万8千円あったらちょっといいホテルに食事つき宿泊できますから、これを反則金で支払うことがどれだけバカらしいことかお判りいただけるでしょう。

通話する場合には、スピーカー通話にして”ハンズフリー”通話をしましょう。

ハンズフリー通話でもイヤホン式はパトカーや救急車のサイレンなど周りの音が聞こえなくなるため、条例で禁止されている都道府県がほとんどですから、携帯電話は運転席の下に置いて外から見えないようにする配慮が必要です。

また運転中に携帯電話を”手に持つこと”は絶対に避けなければなりません。カーナビは見ても視線だけのことですから、警察官が「あなたカーナビを注視(警察庁の見解では約2秒程度)してたでしょう」と言われても「いいえ見てません」と言えば立証はできるはずもありませんから心配はないのですが、通話や注視についてはパトカーにはドライブレコーダーが設置されているようですから一発アウトです!でもやはり、カーナビが問題のような気がします!

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