~テニスに軟式はない!~
錦織圭や大阪なおみの活躍によって硬式テニス人口が増えています。
しかし、わが国には日本発症の軟式テニス(ソフトテニス)があるため10代のテニス人口増加は限定的です。
日本人テニス選手がもっと世界で活躍する姿が見たいものですが、中学の部活で硬式テニス部がほぼない状況ではなかなか難しいようです。
日本テニス協会は中体連に硬式テニスを加盟させようと努力しているようですが簡単にはいかないようです。
よくテニスの話になると「テニスやってたよ」というから聞いてみると「軟式!」という人がいます。
が、テニスに軟式はありません!
軟式は「軟式テニス」、今では「ソフトテニス」と呼ばれているもので、テニスとは区別するべきです。
~軟式テニスは日本が勝手に作った!~
テニスは16世紀から17世紀にかけてヨーロッパの貴族で流行したものが原型であるとされており、歴史と伝統のあるスポーツです。
明治になってテニスは日本に伝わりましたが、テニスボールはフェルトで覆われたもので、当時は高価で日本では製造できなかったために、仕方なくテニスボールよりも安価に手に入るゴムボールが使われたのです。
ですから軟式テニスは日本人が伝統あるテニス用具やルールを勝手に変えて新たに作ったものなのです。
当時の日本は近代化される前であり、欧米に比べれば発展途上国であったわけでその中で日本独特の遊びを作ったというわけです。
~現代に軟式は必要ない!~
軟式テニスは近年では一部欧米で行われているようですが、主にアジアという狭い世界でしか行われていません。
世界大会もありますが優勝は全てアジア勢という具合で世界的にはあまり知られていません。
今ではダンロップやブリヂストンなど日本企業もテニスボールを製造しているのですから現代にはもう軟式テニスは必要ないと思うのです。
ただ、現在軟式テニスに打ち込んでいる方や生涯スポーツとしてやられている方にやめろというわけではありません。
そういった方はどうぞ続けてください。
ただ軟式テニスは風に影響されやすく、樹木が揺れる程度の風速10mになったらもうまともにプレーできなくなりますから競技としてやるならば屋内競技とした方がよいと思います。
~子供たちにテニスを!~
軟式テニスが嫌いという思いではなく、日本に軟式テニスがあることによって硬式テニスが普及しないことに不服感を持っているだけなのです。
テニス好きな日本人としてウィンブルドンなどのテニス4大大会で日本人選手が活躍する姿が見たいのです。
そのためには子供たちに軟式テニスという選択肢を無くしてテニスだけを普及させ、テニスプレーヤーのすそ野を広げて欲しいという思いです。
日本テニス協会の公式ホームページでテニスを中体連に加盟させるために努力していることは分かりますが、”ソフトテニス協会が邪魔をしている”などという記事を目にしたこともあります。
どんな組織にも”既得権”というものがありますからなかなか難しいのだろうとは思います。
軟式テニスで飯を食っている人たちからすれば軟式テニスをなくすわけにはいかないということです。
子供たちに「テニスor軟式テニス」という質問をすると「軟式テニスがしたい」という子供はいません。
テニスをしている横で軟式テニスをしている中学生などが硬式テニスを羨望のまなざしで見ている姿は目にしますが逆は見たことはありません。
~貧しくても一流に!~
中学に入り、テニスがしたい子供たちは、中学生の部活選択で”テニス部”を選び練習するうちにテレビで目にする錦織たちがやっているテニスとは違うことに気づくという話を聞いたことがあります。
あまりに可哀想です。
錦織圭は、5歳の頃からテニススクールに通い才能が見いだされ、中学時代には運よく特待生としてアメリカ留学を経てプロテニスプレイヤーへの道を歩み出しました。
もし錦織が貧しい家庭の子供だったらテニススクールやアメリカ留学などとんでもない話でしょう。
日本の子供たちの中には錦織以上のテニスの才能を持った逸材がいるはずです。
その才能を大人たちの力で開花させてあげて欲しいし、世界の一流プレーヤーとして活躍できたならば素晴らしいことだと思うのです。
大人が自身の既得権を失いたくないために子供の未来を切り開く努力を怠ることは絶対にあってはいけないのです。
昨年軟式テニス選手として初めてプロになった船水颯人選手がいることは知っています。
この選手を日本人の何人が知っているでしょう?
またプロになってどこで活躍しようとしているのでしょう。
この選手が試合に出てもテレビ放映はまずないでしょう。
第1号のプロ選手になったことは素晴らしいことですが第2号、第3号と続いていくとは思えませんし、世界に羽ばたく機会もないでしょう。この選手がもし硬式テニスをやっていたとしたら錦織以上の存在なっていたかもしれないということを考えるととても残念です。
~普及のための問題はない!~
中学校でテニスが普及しない問題を調べて見ると、やはり軟式テニス協会の存在があると思いますがそれ以外には
・指導者がいない
・用具が高価
などが挙げられているようです。
テニスが好きな指導者はたくさんいます。外部委託すれば喜んで参画してくれるはずですから指導者を探そうとしていない現状では理由にもなりません。
また全国的に中学校でテニスが普及すればどれだけたくさんの中学生がテニスラケットを購入し、どれだけたくさんのテニスボールの需要があるでしょう。
そうなれば当然価格は下がります。また中学生用のラケットやボールも開発されるでしょう。
こんな問題はないに等しいと思います。
もう一つ、軟式テニスは高齢になってもできるなんていう人もいますが、硬式でも高齢者が多数やっています。
~スポーツ庁頑張れ!~
たかがテニス、たかがスポーツですがスポーツには人を感動させる力もあります。日本を元気にする力もあります。
世界中で人気が高まらない限りオリンピック種目にもならない軟式テニスでは難しいと思うのです。
ほとんど何の仕事をしているかわからないスポーツ庁鈴木大地長官は、何よりもテニスを中体連に加盟させて中学部活として普及する仕事をして頂きたいと思います。