事件

女子大生を誤認逮捕!ずさん捜査の愛媛県警が謝罪!自白の強要はない?

~やっと愛媛県警が謝罪!~

「誤認逮捕の愛媛大学女子大生に賠償金!警察の責任は?愛媛県警は謝罪せよ!」「愛媛県警は謝罪するべき」と書きました。しかし、その後も県議会での謝罪以外、社会に対する謝罪はなく約3カ月が経ちました。そしてやっと「愛媛県警本部長篠原英樹が記者会見を開いて謝罪した」というニュースがありましたが遅すぎます!

~事件の概要!~

事件を知らない人のために事件の概要を書きます。

今年1月、愛媛県松山市でタクシーの車内から売上金などが盗まれた事件で警察が愛媛大学の女子学生を誤って逮捕していました。誤認逮捕されたのは愛媛大学に通う22歳の女子大学生。女子大学生は今年1月9日の午前2時過ぎ、松山市の路上でタクシーから降りる際、売上金などおよそ5万5000円を盗んだとして今月8日、松山東警察署に窃盗の疑いで逮捕されました。 
警察はドライブレコーダーの映像などから女子大学生を逮捕しましたが、女子大学生は「その日、タクシーには乗っていない」などと一貫して無実を訴えていたにも関わらず、手錠をかけられ留置場に入れられました。その後、検察庁が勾留請求しましたが、裁判所が却下し女子大生は釈放され、後日真犯人が逮捕されたました。

愛媛県警はタクシーが止まったアパートに居住する女子大生がドライブレコーダーに映っていた犯人に似ているというだけで逮捕したのです。あまりにも杜撰な捜査というしかありません。もし気の弱い女子大生だったら、捜査員の自白強要によって自供し罰金刑を受けていたかもしれません。

~女子大生の手記!~

誤認逮捕された女子大学生がその後手記を発表しています。その中に取調官の"自白強要”ともとれる内容が書かれています。

取調官は、私が「本当の犯人を捕まえてください。こんなの何の解決にもならない。」と言えば、「犯人なら目の前にいるけど。」と言い、初めから私を犯人だと決めつけていました。他にも「やってないことを証明できないよね?」「タクシーに乗った記憶ないの?二重人格?」「いつ(自分がやったと)言うのか待ってるんだけど」「罪と向き合え」等、耳を疑うようなことを次から次へと言われました。

また、自白を強要するかのような言葉を執拗に言われました。「就職も決まってるなら大事にしたくないよね?」「君が認めたら終わる話」「こんなに時間のかかるものじゃない」「ごめんなさいをすれば済む話」「懲役刑とか罰金刑とか人それぞれだけど早く認めたほうがいいよ」「認めないからどんどん悪い方へ行ってるよ」「今の状況は自分が認めないからこうなってるんだ」「また取り調べか、とか思ってるんだろう。認めないと終わらないよ」等、上げればきりがありません。

これはひどい!犯人でもない人に「早く認めろ!」と言っているのです。

昔ならこんなことも普通にあったのかも知れませんが、令和になる直前の平成の終わりにこんなことがあることが信じられません。警察の全てがこんな捜査をしているとは思いませんが、わずかでもこの様な捜査をする警察があってはいけないのです。愛媛県警のレベルを疑うと同時に上司の捜査管理ができていなかったことが一番の問題点だと感じました。

その中で、警察業務が多忙で人員が不足している現状も見直す必要もあると思います。この事件を担当したのは1人の巡査部長だそうです。巡査部長からすれば、単純な窃盗事件ですから「早く処理して他の大きな事件を」と思っていたのかもしれません。それを制御、管理するのが幹部たる警部補や刑事課長です。更に副署長、署長の管理も問われるのですから結局、組織としての杜撰さを露呈してしまった事件といえるでしょう。

~謝罪になっていない!~

愛媛県警は当時の本部長を交代させて新しい本部長が記者会見で謝罪しました。

愛媛県警松山東署が松山市の20代女性を窃盗容疑で誤認逮捕した問題で、県警は3日、篠原英樹・県警本部長らが県議会スポーツ文教警察委員会に出席し、調査結果を報告した。「取り調べの過程で尊厳を著しく侵害するとともに、ことさら不安を覚えさせ、また困惑させかねない言辞(言葉使い)があったことも確認された」と不適切な取り調べを認めた。一方、「自由な意思決定を阻害する、とまでは認められなかった」とし、自白の強要については否定した。

全く謝罪になっていません!女子大生が手記として発表した"取調官の言葉は虚偽だった”ということなのでしょうか?

女子大生は…

就職も決まってるなら大事にしたくないよね? 懲役刑とか罰金刑とか人それぞれだけど早く認めたほうがいいよ 認めないからどんどん悪い方へ行ってるよ 認めないと終わらないよ

と言われたと言っています。これは「認めなければ刑が重たくなるし、就職にも響くよ。認めるまで続くよ」と言っているのです。明らかな法律上の"害悪の告知”と認められ、脅迫文言となり得る言葉ですから明らかな”自白の強要”です。この女子大生の手記を無視して「自由な意思決定を阻害するとまで認められない」と断じたのです。

確かに”否認している真犯人”に対して取調官がこれくらいの言葉を使ったとしても問題はないとは言いませんが、大したことではないでしょう。否認している真犯人に追及もせずに真犯人の言いなりになっていたのでは取調べにはならないでしょうからこれくらいのことは許容範囲と思いますね。

しかし、捜査側のミスの連続で逮捕した全くの無実の人に対して、この言葉は明らかな人権侵害です。一般的な取り調べと、誤認逮捕した犯人の取り調べを同様のレベルで考えてはいけないと思います。

「無実の善良な市民に対して自白を強要するような取り調べがあり申し訳ありませんでした。二度とこのようなことが起こらないよう管理を徹底します」と謝罪して、「署長を始め捜査に関わった職員の処分を検討します」というのがスジだと思いますね。

こんな謝罪では社会は許しません。

~女子大生は今?~

女子大生は誤認逮捕された時点で就職も決まっていたようですから、今は社会人として働いているのでしょうか?この度の謝罪を受けてどのように感じられたのでしょうか?少しでも心の傷が癒されたのであれば嬉しいですが、「こんな謝罪は許せない」として何らかの行動を起こすことも考えているかもしれませんね。いずれにせよ頑張っていただきたいと思います。

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